-SEID エイコ-
立海の文化祭で私達のクラスは劇をする事になった。
演目はかぐや姫。
かぐや姫って本当に性格が悪いわよね。
だって男共に無理難題を押し付けるんですもの。
色々と貢物をさせておきながらサクっと月に帰るのだしね。
にしても私が主演って私の性格が歪んでいると言いたいのかしら?
私は面倒臭いな、と思いつつも衣装係が頑張って作った十二単を羽織った。
本当に凝ってるな。
怜悧の仕業かしら?
髪飾りが重くて仕方が無い。
正直こんな面倒な事なんてしたくは無いのだけれども…。
衣装を着替え終え、私はクラスメイトが待つ教室に戻ろうとした時、キラリと光に反射され何かに惹かれた。
私はキラキラと輝くそれに手を伸ばした。
いま思えばその行動があんな現象を起こすなんて思いもよらなかったのよ。
暗転した視界が次に映すのは此処でない別の世界。
-SEID ファールーシュ-
ゴドウィンにより太陽宮が制圧されリムが人質同然となった。
バロウズを踏み台にし着実に軍事力を増して行く。
王家の罪の象徴であるロードレイクの民を助ける為に僕は、ヘイトリッジ城壁を壊すことにした。
壊すと言っても問題は山済みで、先ずはヘイトリッジを作ったビーバー族に協力を要請し、軍師ルクレティアが紹介する男を訪ねる。
セラス湖に行けばツヴァイクと名乗る男性が待っていた。
また一悶着ありシンダル族を追及する探検家のローレライがパーティに参加したりと遺跡の中を進んでいく。
遺跡の最深部に黎明の紋章に良く似た模様が描かれている扉があった。
ツヴァイクの指示で黎明の紋章を翳せば眩い光と共に扉は開かれる。
扉を通って奥へ進めば地下水脈の水が滝のように流れ落ちている場所に到達した。
しかしもっと奥へ進もうとした時に何かを守るようにシンダルの番人が現れ戦闘になる。
辛くも勝利し最奥へ向かえば右手に宿る黎明の紋章が発動した。
大きな光の本流は黎明の紋章を継承した時のように似ている。
目を開ければ見たことも無い衣装を纏った自分と年の変わらない美しい少女が横たわっていた。
「王子、彼女は一体??」
リオンの言葉にハっと我に返る。
「降って沸いてきたようだな。」
興味深いと呟くツヴァイクとローレライ。
「一先ず彼女を起こそう。」
僕が彼女を起こそうと近づけば
「王子!私が起こします。」
リオンが気を失った少女に対し警戒心を露にした。
それが何だか不愉快で僕は
「彼女は僕を害することはないよ。」
そう告げて彼女を優しく起こした。
身に着けているのは全て一級品。
彼女はどこかの王族なのだろうか?
「ねぇ、起きて。」
壊れ物を扱うように優しく彼女を起こす。
どんな声なのだろう?
揺り動かされピクリと覚醒の合図に僕の胸は高鳴った。
ねぇ、君は誰?
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