転職 プログラマー A子さんの優雅なる暗躍生活 | ナノ




-SIDE エイコ-



帰って来たというのが正しいのかしら?

あの激動の戦乱の最中で、よく生きていた私!

と褒め称えてやりたいぐらいだわ。

「エイコ様、着替え終わりました?」

クラスメイトの一人が扉の向こうで声を掛けてきた。

そう言えば、文化祭の準備中だったっけ?

「入っても構わないわよ。」

入室を許可すれば、失礼しますと礼儀正しく入ってきたクラスメイトは

「凄い綺麗です!!って、あれ?エイコ様、そんな衣装でしたっけ?」

衣装に首を傾げた。

そう言えば、かぐや姫の衣装はサイアリーズ様に剥ぎ取られていたっけ…

ファレナの正装はかぐや姫の衣装に近いけれどもやはり異国風とも言える。

これを私が誤魔化すのかと思うと頭が痛かった。

しかしそんな考えを私が顔に出す筈も無く、私は

「これしか無かったのだけれども…間違えたかしら?」

恍ける。

これが怜悧(れいり)だったら絶対に巧く行かないわね。

此処にいるのが彼女じゃなくて本当に良かった。

衣装はあの世界のどこかにあるんだもの。



道化は道化らしくお人形を演じる少女の日常が動き出す。





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