転職 プログラマー A子さんのオセロゲーム | ナノ






一度、私は死んでいるのよ。

生き返ったわけじゃないけどね。

この身体の持ち主が生きることを放棄したの。

勿体無いから私が貰ったと言えば良いのかしら?

見た目も頭も家柄も悪くないのよ。

ただ、彼女が虐めの主犯で、それが大好きな人にバレただけの事。

蒼天と呼ぶに相応しい日に馬鹿(ナイト)と愚者(おひめさま)に呼び出しされて、色々あって絶望を感じたのよね、彼女は!

ふっは!

ありがとう馬鹿共!

とっても感謝しているわ。だって私が、この身体の所有者になったのだもの。

「ふは、言いたいことはそれだけ?」

クツクツと嘲笑う私にR陣と神崎は唖然とした顔をした。

「メイルに謝れ!」

ワカメ頭の少年は切原だったか、短慮で馬鹿なんだね。

今にも掴み掛かりそうな勢いだ。

「何故だい?私はその子に指一本触れちゃいないよ。確かに彼女は嫌いさ。だからといって暴力を振るった覚えはないよ?」

これは本当。

この身体の所有者が直接虐めをしたわけじゃない。

彼女を崇拝する奴等がしたのだ。

彼女はただ、神崎メイルが嫌いだと触れ回っただけ。

そして神崎メイルが虐められる切っ掛けを作っただけにすぎない。

「貴女のせいで彼女が虐められているんですよ。」

紳士面をした奴の言葉に私は

「おやおや、馬鹿馬鹿しいことを言うのだね!誰かを嫌うことが虐めなのかい?違うね、君達だって嫌いな奴のことを誰かに言うだろ。」

それと何ら変わりの無いことさと鼻で笑えば当惑した眼で私を見た。

「ふっは!あははははは…ふふ、下さない戯れ言は終わりだよ。話があるなら何時でも聞こう。」

但し私が楽しめるものにしておくれよ。

馬鹿共の隣を通り抜け屋上を後にした。









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