転職 プログラマー A子さんのオセロゲーム | ナノ




-SIDE モブ-


神崎メイルは何様だよ!

元々不満は沢山あった。


私達は知っているのよ。


栄子様を不良を使って襲わせようとしたことも、栄子様を階段から突き飛ばした事も!


絶対に許せないわ!


栄子様に助けられた人がどれだけいると思っているの?


アンタみたいな低脳な猿に理解は出来ないと思うけど、栄子様を殺そうとしたことは許しがたいの。


「そろそろ動くべきだと思うの。」


私の言葉に集まっていた同志が


「あぁ、調子こいた神崎を凹ませようぜ。」


うんうんと頷いた。


「でもさ、どんな方法が有効的だと思う?心理作戦とかってあんまり効果なさそうよね?」


あの電波具合は常軌を逸しているものと云うと


「神崎の世界の構築ってさ、男テニのR陣じゃね?」


男子の言葉に私はそれもそうかと考え直す。


あれだけ男にチヤホヤされていた神埼は今は一人だ。


彼女が私達を視界にいれている筈がない。


視界に入ってたら警戒ぐらいするでしょう?


とすれば、彼女の構築する世界ごと壊してしまえば良いのよね。


「男テニに協力してもらうってことになるわね…」


それもそれで嫌だけど仕方ないかしら?


「俺等だけではキチガイにダメージを与えられる事は出来ないからなぁ。アイツ等だって栄子様の助けが無かったら廃部になってたんだからさ協力ぐらいするだろ。」


しなきゃ廃部まで追い込めば良いことだしね。


何気に黒い発言をする目の前の少年に私は引き攣った笑いを零した。


「提案なんだけど!」


栄子様と同じクラスの女の子が手を挙げる。


「何か良い案でもあるの?」


「うん、呼び出ししちゃってさ神崎の一部始終を学校中に生でライブするとかどう?きっと電波な事を言うと思うよ!」


それは面白いかもしれない。


妄想癖の強い自意識過剰な馬鹿女は絶対に自分はお姫様だとかヒロインとか言うわね。


「それ良いわね。じゃあ、生ライブの後にトドメを刺す役は男テニR陣にして貰いましょう。あの忌わしい事件からようやく目が醒めたみたいだしね。」


私はクツリと笑った。


神崎さん、貴女が見下した私達の策に嵌って貴女は自滅するのよ。


栄子様の手を煩わせるまでもないわ。


いつまでも神崎ばかりに栄子様が構っているなんて許せないもの!


栄子様は皆の物よ。


そうでしょう?




-SIDE 神埼メイル-


やっとフラグが立ったわ!


あひゃひゃひゃ♪


先に精市達を味方に出来る!


だって山田はファンクラブの会長なんだもの。


うひ、あひゃひゃ!


ボロボロになった私を見て、精市達は私の元へ戻ってくるの!


だってそれが普通でしょ?


あーあ、此処までフラグが立つのに時間が掛かるなんてね。


真っ先に潰すのは山田よね。


何で私の居場所にアンタが図々しくいるわけ?


大体ね、私は神に選ばれてこの世界にやって来たお姫様なのよ。


通行人Aみたいなアンタにはその辺の犬がお似合い!


でも、私は優しいから今だけ優越感に浸らせてあげるわ。


赤い便箋に入った丸文字で書かれた手紙。


趣味が悪いわねえ。


「あら、ちゃんと着てるじゃない。」


山田じゃない知らない女子生徒が立っていた。


ふーん、手下を使うんだ!


「こ、こんな所に呼び出して何の用なの?」


ウルウルと今にも泣きそうな可憐な少女を演じてあげる。


そしてレギュラーの皆から嫌われたら良いのよ!


「単刀直入に言うわ。神崎さん、学校を辞めてくれないかしら?」


「は?」


思わず出てしまった言葉に見知らぬ女子生徒は、この私を嘲笑し


「脳みそキチンと入っているのかしら?この学校を辞めろって言ってるのよ。分かった?」


高圧的な態度を取った。


この私にそんな態度を取ってこの先、生きていけると思っているの?


本当にムカツク!


やっぱり山田の手下は碌な事を言わないのね。


「い、嫌です!どうして、私が…学校を辞めなくちゃいけないんですか??」


ふふ、私の迫真の演技でアンタ達なんか退学に追い込んでやるんだから!


女子生徒は不愉快そうに


「戸籍も無い得体も知れない人を学校側で飼うほど暇じゃないのよ。今直ぐにとは私も鬼じゃないから言わないわ。でもね、月曜日にもなってまだ学校に来てるようなら私達も容赦しないからね。」


それだけを言い捨てて立ち去ってしまった。


どうして私の戸籍が無い事を知ってるの?


これも山田が言触らしたから?


トリップした人間なんだもの戸籍なんてあるわけないでしょ!
あぁ…どうしよう。。


だって、お金は殆ど使っちゃったもの。


戸籍を買うお金なんてないわ!


考えろ!


考えろ!


もしかしたらハッタリかもしれないじゃない。


そうよ!


そう簡単に戸籍の有無なんて確認出来ないわ。


だって、私は現に学校に通っているじゃない。


身の程知らずのモブ共も絶対に許さないんだから!


「アハハハ!モブの癖にお姫様に勝てると思ってるの?うふふ、山田の時は失敗しちゃったけど…今度は成功させるわ。きっとこの前のはフラグだったのね!大丈夫、今度は息の根を止めてあげるから覚悟してね、山田さん。戸籍だってねぇ、バレるわけないでしょー」





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