あぁ、憂鬱。
何故かって?
そりゃ前世の記憶をバッチリ持っているからだよ。
俺は約50年間男で過ごしてきたわけだ。それなのに転生したら女になったって何の嫌がらせだ。
しかも裏社会のマフィアの時期ドンナ候補として名前が挙がっている。
ハッキリ言おう。
俺はチキンだ!
マフィアなんてやってらんねぇ。てか、最弱の俺がドンになったら速攻潰れると思うんだけど?
「マリア様、パーティの招待状が届いております。」
俺付きのメイドが一枚の招待状を俺に手渡した。
破り捨てたいのは山々だが、マフィア界一と呼ばれているボンゴレの印に諦める。
さっと内容を見ればただのパーティの招待状ではあるが、目的は10代目の婚約者選びだろう。
ロッソファミリーは中堅のマフィアだ。選ばれることもないだろう。
「エルザ、パーティに出席する旨を伝えて頂戴。」
俺はメイドのエルザに指示を出し、積み上げられている書類の束を整理していった。
誰か代わってくんないかなぁ。
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