パインvs雲雀 [ 12/16 ]
並盛最強の雲雀の襲撃に神崎は目を輝かせた。
正直ダリーと思いながら雲雀が来るのを待っている。
神崎が喚いて五月蠅いがこの際、無視だ。
雲雀といえば、ボンゴレ最強の変人(守護者)だったっけ。
裏社会に属してない筈なのにその辺のマフィアにも劣らない戦闘能力とはこれ如何に?
人外鬼畜の道を直走る彼は、俺にとって鬼門だ。
意外に粘着気質っぽいしなー。
現段階では俺の方が戦闘能力は高いけど、俺ってば人間捨てる予定今後一切ないからさ…
10年後にゃー天地の差ぐらいありそうだ。
何気にヒロイン崩れした我が半身と意気投合しそうではあるが、どの道お先真っ暗な予感がヒシヒシとする。
此処で完膚無きまでに叩きのめして『コイツには逆らえない』という刷り込みをしておくべきか、適当に手を抜いて簀巻きにしてボンゴレが来るまで埒監禁するかの二択だな。
前者は闘争心を煽りそうなので後者にする事にした。
ドッカン
ドッカン
襤褸い元黒曜ランドを破壊して進んで来る雲雀。
どんなホラー映画だよっ!
と突っ込みを入れつつも三叉槍を握り締める俺。
吹っ飛んだ壁を見ながらアレが10年後には地球外生命体に進化するのかぁ…
と現実逃避した。
「君が首謀者?」
殺気はプロの殺し屋と同等って…
あーメンドイ!
くっそぅ、クローム覚えてろよ!!
「どっちだと思いますか?」
ニッコリと笑えばイラっとしたのか殺気はMAXまで跳ね上がった。
「質問しているのは僕だよ。」
俺は肩を竦め
「短気ですねぇ。悪戯の首謀者かと聞かれたら“そうですよ”と素直に答える馬鹿がいると思っているんですか?お目出度いですね。」
鼻で笑えばご自慢のトンファーを構え
「噛み殺すっ!!」
お決まりの台詞と共に突っ込んできた。
素人が玄人に勝てると思っているのが凄いよな。
まぁ、地獄の使者(リボーン)によって強制的に裏社会(マフィア)に属する事になるんだから戦闘センスは必須項目だろう。
荒削りではあるが、戦闘能力は非常に高い。
非常識集団の筆頭になる奴だと思えば納得した。
後ろでキーキーと神崎が叫んでいるが苛っとするので、サクサクと術式を発動させる。
俺の幻覚を追い回している姿は笑いを通り越して滑稽だ。
きっと幻覚の俺は奴にフルボッコにされているのだろう。
フルボッコされても、されても、されても、されても縋り付く敵が一番厄介でキモいだろう。
幻術を解くには術師を倒すしか方法がないからね。
俺は自分の身が可愛いから敵に塩を送る事は絶対にしないがな!
因みに同時進行で神崎にも幻術を掛けてやった。
今頃は極寒の地を体感しているんじゃね?
やたらとウザかったし、これで少しは静かになるだろー。
幻術を発動させて30分、燃料切れで雲雀が倒れた。
俺の幻術に30分も耐えるなんてマジで凄いな!
結構えげつない術式だったんだけど…。
俺はぶっ倒れた雲雀の元へ行き身包み剥いで簀巻きにして神崎と一緒に放置してやった。
俺が受けた苦痛の日々を思い知れ!
と多少の鬱憤晴らしがあった事は内緒である。
後の10年後まで彼に根に持たれて絡まれる事になるとは露知らず。
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