ピオニーEnd
忠告!

ピオニー陛下が超黒いです。

え?

HappyEndではない?

と主張されても無理矢理脳内変換して下さい。

ちょこっとだけ性描写が入ります。



-SIDE ピオニー-



「やっ…あ、あん」

声を抑えようと必死になって手で口を塞ぐマリアの手を縫い止める。

出逢った頃と違いマリアの身体には無数の傷が付いていた。

それが無償に苛々を募らせる。

自分の知らない彼女がいるのだから…

傷を上から朱(あか)い華を咲かせていく。

「ぴ、おに……」

パクパクと紅をさした様に熟れた唇から覗く舌が扇情的だ。

誘われるように荒々しく唇を貪る。

滑らかな肌に手を伸ばし、マリアの快楽を仰ぐ。

淫らに乱れるマリアの姿に俺は満足する。

もう誰にも触れさせない。

もう誰の目にも映させない。

狂気を孕みながらマリアを何度も抱いた。


あれから昼夜を問わずに俺はマリアを抱いている。

神にも誰にもマリアをやるつもりはない。

それがマリア自身であったとしてもだ。

自身一人だったらマリアは容易に死を受け入れるだろう。

だから子供を作る。

子供がいればマリアは死を選ぶ事はないからだ。

閉じ込めて、誰にも見せない俺だけの花。

世界にはマリアは死んだと発表されている。

マリアが生きている事はジェイドやアスランさえも知らない。

生きている事を知っているのは俺だけだ。

誰にも渡さない。

俺に抱かれて眠るマリアの頬を愛しげに撫でた。


女に溺れた男は仄暗く嗤う。

小さな、小さな、自分だけの箱庭(世界)にアダムとイブ以外は不要(いら)ないと…




-SIDE マリア-



あの日、王宮の奥深くに私は閉じ込められた。

ピオニーが何を思って私を抱いたのか解らない。

でも、私はその手に甘えてしまうのだ。

神殺しをした咎の報いはいつか受けるだろう。

縋ってしまったのは私。

その証拠にお腹の中にはピオニーの子供がいる。

「マリア、体調はどうだ?」

太陽の笑顔を浮かべるピオニーに

「良好よ。」

パチンとウインクした。

一番最初の頃に戻ったような感覚に陥る。

少し膨らんだお腹を愛おしそうに撫でるピオニーは

「名前は何にするかなー」

クリス、レティ、ミーティア、とブツブツと念仏のように女の子の名前ばかり挙げていった。

「女の子と決まったわけじゃないのよ?」

そう釘を刺せば

「絶対にマリアに似て可愛い女の子に決まってる!俺の勘がそう告げているんだ。間違いない!きっとオールドラント一の美女になるだろうなぁ。」

えっへんとばかりに胸を張って断言するピオニー。

私は苦笑を洩らしピオニーの服の裾を引っ張り小さく口付けた。

愛を誓い合ったわけでもないけれど…

互いに愛を語った事もないけれど…

それでも私達は互いを求め続ける。

抱き締めてくる背に腕を回し、私はクスリと笑った。

『愛している』

言葉を告げる日が来るかしら?

それとも永久に心の中で繰り返すのかしら?

小さな、小さな、私の箱庭の世界。

それでも私は幸福だと豪語するわ。



王宮に咲く、道化と魔女の恋物語。



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語部少女より

陛下ものっそ黒い!!

爽やかさんには程遠くなってしまいました。

マリアさんにオールドラントの世界の知識を教えたのはピオニーですもんね。

ネフリーさんに向ける優しい愛ではなく、マリアさんには独占欲のドロドロの愛情です。

他の男を選んだらお前を殺して俺も死ぬぐらいな勢いです。

王宮という裏を知っているから打算も謀略も乗り越えられて、かつ自分と同じ目線で国を見れる女性がマリアさんだったわけで。

復讐に囚われて尚も真っ直ぐに生きて行くマリアさんに惚れたんだと思います。

でも他の男に見せたくない独占欲で王宮に縛り付けちゃう困ったさん。

お互い愛情よりも依存が強いんだと思います。



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