山田エイコの体を乗っ取って、現世で色々と仕出かしたA子です。
本当の名前なんてとうの昔に忘れてしまったわ。
文句ある?
「ちょっと、お湯が温いんだけど?」
必死で風呂釜の火を燃やしている子鬼に文句を言えば
「エイコさん、まだ入るんですかぁ?」
と半泣きになっていた。
「風呂釜を熱するのがアンタの仕事でしょーが…」
この無能、と告げれば半泣きになりつつ風呂釜の火を燃やしている。
「それにしても地獄って良い所ね。もっと満喫したいわぁ。」
良いお湯加減だとばかりに風呂を満喫している私が此処に来た経緯は、私が次元を超えて山田エイコの体を乗っ取り世界を混沌とさせた罪だったりする。
乗っ取ったと言われた時に閻魔の側近が持っていた金棒を分捕ってフルスイング。
うん、金棒だけあって威力は高かったと言っておこう。
別段私は乗っ取りをしたわけではない。
勝手に悲観して絶望してこの体を明け渡した彼女が悪いに決まっているのだ。
まぁ、私が住み易いように色々と手を回したのも確かだけど恩恵は受けている筈よ?
私の進む道を阻んだ愚か者はそれなりの末路が用意されてたりするけどね。
意識が戻った閻魔は生き絶え絶えに
「此処まで穢れを背負った人間は始めてだ。己のした行いを悔い改めよ。そなたには最下層の地獄へ落とす事にする。」
と宣った。
別に良いけどね。
穢れてない人間がいるなら見てみたいわぁ。
生きている限り絶対に罪を犯しているのだから。
まぁ、私の癇に障ったら即抹殺させて頂くけど。
そんなこんなで私は地獄巡りをする事になったのだが、意外とコレが面白いのだ。
何というか半端な拷問にキレて私が直々にSM調教方法を伝授したり、飲み比べで閻魔が隠し持っている鬼殺しを飲み干したりと現世に居た時よりも充実した毎日を過ごしている。
転生なんてする予定もないので充実した毎日が続くと信じていたらアッサリと閻魔に厄介払いのごとく売り払われた。
しかも異世界の神もどきに(怒)
覚えてらっしゃい!!