ダアトが事実上解体してから一年。
マルクトが実質上キムラスカの属国になって一年。
そして世界を救う為に奔走した年でもある一年。
セフィロトのパッセージリングを操作し、大罪人ティア・グランツとメリル・オークランドの擬似超振動によって大量殺人を黙認したダアトとユリアシティと痛々しい事この上ない名前の監視者達を生贄に瘴気中和を実行した。
ローレライの解放という役目に関しては、私のルークではなくデコに暗示を掛けて解放させる。
まぁ、解放時にローレライを脅してルークとデコの間に起きる大爆発回避をするように命じた。
そしたらローレライはデコの体内音素を弄ったらしく廃人となってしまったが、元々罪人なので種馬として機能しているのであれば問題ないと王宮の奥で飼われている。
「これでやっと平和になったわね。」
まだまだ予言に頼るアホウがいるが、その内欠片も無くなる事でしょう。
傍に控えていたセシルを見て
「そういえば、結婚するのですのね。」
彼女のように優秀な軍人はそうそういない。
だからこそ惜しいのだ。
でも結婚は女の幸せだと言うし、此処は景気良く送り出してあげたいもの。
「貴女がいなくなると寂しくなるわ。」
本当に寂しくなっちゃうわ。
ビシビシと根性の無い貴族を叩き潰していくセシルの腕前を買っていたんだもん。
そんな私にセシルが
「結婚しても私はリーナ様の護衛騎士です。それに夫も陛下の護衛騎士ですのでずっと一緒ですよ。」
綺麗な笑みを浮かべた。
「ルークの親友のガイでしたが…そう護衛騎士になったのですね。」
当初は使用人としても護衛としても失格ではあったが、セシルの調教の末にルーク命になったらしいドMのガイ・セシルを思い出した。
アレと彼女が結婚するのは…しょっぱい気持ちになる。
「盛大にお祝いさせて頂くわ。」
ダアトとマルクトから分捕った金で、私の片腕である彼女の結婚式ぐらいはド派手にしたいもの。
私?
私はもうしたからね。
そう告げればセシルは嬉しそうな、そして申し訳なさそうな顔をして礼を述べた。
ダアトとマルクトで国庫は潤い、キムラスカは永きに渡り繁栄する事となる。
王族を舐めてはいけません。
報復は尻(ケツ)の毛まで毟ります。
キムラスカ・ランバルディアの成金日記がひっそりと何処かにしまってある。
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bkm