ポキっと折れるフラグに怒るお姫様

凄いなミーハー。

いやいや、我が立海にミーハーがいないわけではないけど、そこまで過激じゃない。

だって自分で精一杯だから。

例の転校生はストーカーの如く男テニに付き纏っていた。

ついた渾名がビッチ。

女子や並な男子に冷た癖にイケメンには媚る娼婦のような彼女の態度に付けられた称号だ。

そこそこ可愛いとは思うけどミス立海でファンクラブ会長には敵うまい。

てーか、比べるのもおこがましいよ。

私は幼馴染であり、学校の白雪姫(奴が知ったら激怒するだろう渾名)に借りた電子辞書を返しに行った。

いつも賑っているクラスが今日は一段と喧しい。

何があったんだ?

野次馬根性で覗いてみればビッチこと姫宮かなが我が幼馴染に纏わり憑いていた。

「私の事はかなって呼んで良いんだよ!」

いきなり名前呼び?

てーか、他クラスまで侵略しているのか…

「キモイ、ウザイ、消えろ。」

絶対零度の声音にプルプルとクラスメイトが震えてる。

しかし奴はKYだった。

「もう、精市ってば照れ屋さんなんだからv」

何て御目出度い頭をしているんだ。

ブルブルと拳が震え般若を背負っているというのに自分をアピールするビッチ。

ビッチよ、精市は男女平等に暴力を振るう男だ。

もうちょっとでキレるぞ!

そして私は巻き添えを喰らいたくないので此処で逃亡させて貰う。

アディユー!

とばかりに華麗に立ち去ろうとした時、私は

「やぁ、サギリこんな所にいないでこっちにおいでよ。」

閻魔大王を背後に背負った精市に此処に来いと命令された。

関わりたくないんだよ!

と必死で視線で物申すが奴は逃亡したら殺すと返された。

全然素敵じゃねー以心伝心。

借りていた電子手帳を返せば、転校生に見せ付けるようにギューギューと抱き締められた。

怨念篭っているので中身が食み出そうだよ。

半分魂が抜けかけている私を鬼の形相で睨みつけるビッチ。

こんなの間違ってる…

と小さく呟かれた言葉に?しか浮かばない。

「精市、えっと彼女とは友達なの?」

恋人と言わない辺り私の存在を認めたくないのだろう。

精市が何か言う前に私は間髪入れずに

「幼馴染だよ。」

答えておく。

彼女を何を思ったのか、ニヤニヤとキモい笑顔で

「そうなんだぁ!精市、私この子と親友なんだよ。友達の友達は友達って言うじゃない。私とも仲良くして欲しいなv」

斜め39℃にぶっ飛んだ答えを出した。

いつから私は彼女と親友になったんだ。

私はニタニタ笑いの彼女に

「ねぇ、姫宮さんさー私の名前知ってる?姫宮さん的に親友なんだよね?名前ぐらい言えるよね?一度も呼ばれた事ないんだけどなー親友なのにさーそれって親友じゃなくね?赤の他人ジャン。」

アンタとは赤の他人宣言をしておく。

この手のタイプは面倒臭いんだもん。

案の定ビッチは私の名前を言う事が出来なかった。

周囲から白い目で見られている事にやっと気付いた彼女は顔を真っ赤にして去って行った。

この日を境に彼女に法螺吹きの称号が与えられたのは言うまでもない。

その内、狼少女とか言われたりして、ね?



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