聖騎士の卵 | ナノ


▼ 2 騎士そのA

ワンコ系童貞騎士のセアムは、俺が三日三晩犯し続けたところ、すっかり雌の顔になっていた。
俺の腕の中に慣れてしまったのか、「スグル様ぁ」と連呼して離れなくなってしまい、部屋の外に連れ出すのに他の屈強な騎士たちの手を借りたほどだ。

ちゃんと孕んだのだろうか?
卵の行く末は、数日後に内診を行う医術師の知らせを待たねばならない。
楽しみに待ってる間も、神鳥王として召喚された俺の仕事は着々と行われる。

神官が言うには、事の発端は王国の古文書に合致する、預言者の託宣によるものらしい。
簡潔にまとめると、数十年に渡る魔族と人族の戦いに終止符をうつ運命の子が現れ、そいつは不死なる神鳥と聖騎士の血を引く者とされる。

両者が聖属性であるべき理由は分かるが、なぜ聖女でなく男の騎士なのかは意味不明だ。
俺しか得しないだろ。
尋ねてみるとこの世界は本来、男は妊娠などしないらしい。
まぁ人外である俺の神秘のなせる業といえよう。

いわゆる勇者とおぼしき存在の運命の子が、自分の小種から生まれるというのは、なんとも言えぬロマンである。
しかも高潔かつムッチムチの聖騎士を介してとは!

一人興奮してると、次の聖騎士が訪れる頃合いになった。
身だしなみを整えなければーー広すぎる自室の壁にある、金縁の丸鏡に全身を写す。

「おおぅっ!」

そこには黄金色の羽毛と翼をもつ、神鳥王こと俺がいた。
頭部は完全に鷲みたいで、くちばしも爪も鋭く尖っている。

筋肉の張った足と腕は亜人っぽく凛々しい姿だが、上質なシルクの服を着てる姿はなかなかシュールだ。

「ーーフンッ」

俺は気合いを入れて人型に変化した。
気を抜くと自然に戻ってしまうこの姿を、長時間見るのは結構つらい。

現れたのはプラチナブロンドをなびかせる、妖精のような美貌の青年。王というより王子様。
鏡越しに色気のある淡橙色の瞳に見つめられ、もう自分が抱かれてもいいレベルである。

もうすぐ交わりの時間のため、筋肉質の裸をさらし変なとこがないか確認してると、金細工の大扉がコンコンと叩かれた。

「入れ」

ガウンを羽織り、すぐさま王の威厳を醸し出し低音で招き入れる。
二人の美少年がおずおずと足を踏み入れ、頭を下げた。

「神鳥王さま。聖騎士さまがお越しになられました」
「そうか、待っていたぞ。今日はどんな美味しい騎士を食べられるのかな? 楽しみだ」

美少年たちはポッと染まった顔を見合わせ、そそくさと会釈をして扉の外に出てしまった。
立ち代わりに制服をまとった細マッチョの騎士が入ってくる。

「失礼します。キリアンと申します。神鳥王」

明るめの茶髪に、やや目つきの悪い赤褐色の瞳がじっと俺を見据えている。
はなから空気をピリピリさせて友好的な雰囲気ではない。緊張してるわけでもなさそうだ。

どことなく不良っぽい危険な匂いを漂わせていて、人を寄せつけない感じの騎士。

「よく来たな、歓迎しよう。では脱げ。一糸纏わぬ姿になって、寝台に四つん這いになれ」

俺は開口一番、騎士のプライドをへし折ることにした。
予想通り、奴は大きく目を見開き、唇をわなわな震わせている。

しかし上からの命令か、態度とは違い聖騎士の挟持があるのかないのか、なんと不良は俺の言うとおりにした。

筋肉がほどよくついた、小麦色の美しい裸体が寝台の上で俺に秘部を晒している。

「……これでよろしいですか、王よ」

微かに震える声は、屈辱にまみれていて安心した。
俺はすぐさま騎士の後ろに膝をつき、前をくつろげた。

「ああ、良い眺めだ。さっそく頂くとしよう」

なんの断りもなしに淡い桃色の中心にむちゅっと唇をつけた。
手のひらでもちもちの尻を揉みしだきながら、舌先を奥へと潜り込ませる。

「ひああああっっ」

騎士はものすごい高い可愛い声を出した。
え、びっくりした、久々に心臓止まるかと思ったんだけど。

「なんだお前。そんな女みたいな声、どっから出した?」

やらしく呻きながら顔を枕に押し付け、声を我慢している騎士に意地悪く尋ねる。
尻だけ上に突き出し、俺が舐めるごとに腰をくねらせている。

「あっあぁっ王よ、……くぅっ」
「舌だけじゃ満足出来ないって感じだなぁ。じゃあどんどん大きなものにしよっか?」

子供に言うように話しかけ、最初の騎士以来満タンに補充されている水色ポーションを取り出し、べっとりと塗りつけて指先を挿し入れた。

すると騎士が起き上がろうとしたので、シーツに無理やり押し付けた。

「んあぁッやめ、止めろ! 離せよ……ッ!」
「いやだ。こんなエロい男を前にして中断出来るか。さっさと諦めろ」

騎士の仮面を捨て素を出した男に、自分も素で語りかけながら、遠慮なく指をずぷっと奥まで突き入れる。
すると騎士はまたもや嬌声を浴びせた。

「はあっ、ん、や、やあぁっ」
「……お前、この感触、その反応……初めてじゃねえな?」

わざとドスの効いた声で尋ねると、びくっと大げさにキリアンの腰が跳ねた。

「な、何を言ってるんですか。俺は騎士ですよ、そんなわけが」
「嘘ついてんじゃねえ。ガチムチ千人切りの俺を騙せると思うなよ」

百倍はサバを読んでみたが、騎士は自分の動揺に忙しくプルプルしている。
ふうん、なるほど。
まさか聖騎士ともあろう者が、男を経験済みとは。

「正直に言えって、何人とヤッた? 言わないと無理やりブチ込むぞ」
「んぁぁっっ」

指でぬちゃぬちゃ掻き回しながら尋問する。
騎士は半分顔をこちらに向け、うっとり顔ではぁはぁ息づいている。
むしろブチ込んで欲しい顔だこれは。

「俺はそんな……淫乱じゃありません……」
「へえ。じゃあ言えるよな? ったく、ここでチンポ何本咥え込んだんだよ。どんな面して聖騎士やってんだ」
「や、やあぁッ」

ぺしぺし尻を叩いて責めるとキリアンはやっと白状した。

「じゅ、十六のときに、二つ年上の従兄弟のお兄さんと、しました」
「……えっほんとに? すげーエロい、そのエピソード。もっと聞かせて」

騎士は俺の食いつきに引きながらも、初恋の体験を話してくれた。
ようは覚えたての小動物のように、手慣れたお兄ちゃんにヤられまくっちゃったらしい。

不良かと思ったら顔を赤くして話す様子は純朴少年そのものだった。
もちろん俺の股間もギンギンである。

「あー……すげえ、少年のときのお前可愛かっただろうなぁ……今も可愛いけど。ところでもう挿れていい? 見てほら、俺のガチガチ」
「えっ、ちょ、まって、くださ」

腰を両手で持ち一気に突っ込む。
すでに従兄弟との恋は終わってしまい、最近は男との経験はなかったようだが、騎士の素質を見込んで遠慮はいらないと判断した。

「く、あぁあっ、王よ、だめです、久しぶり、だから、ゆっくりっ」
「いいなぁ。お前の中最高。使わないともったいないぞ? そうだ、俺がお前の新しい兄ちゃんになってやろうか」

四つん這いで喘いでいたキリアンを抱き起こし、寝台の上にあぐらをかいた。
ズブっと深くまで貫きながら騎士を抱え、腰全体を揺らしていく。

「あ、あぁぁ、は、ぁっっ」
「ほらお兄ちゃんだ。言ってごらん、キリアン」
「……お、兄ちゃん……、んぁぁっ」
「そうそう。良い子。スグル兄ちゃんでもいいよ?」

よだれを垂らしだらしなく開けた口元を、後ろにいる俺へと向けさせる。
唇を塞ぎ、口内を舌で犯し尽くす。
騎士は息苦しそうに喘ぎながら、腰の動きも止まらず激しくなっていった。

「スグル兄ちゃぁん、やだぁ、うぁ、俺、もう、だめぇ」

淫らに俺を受け入れ、完全に雌化している。
ちょっと前までツンツンしてたのに。

なに、聖騎士って皆こんな順応性の高い男どもなの?

こっちも気持ちよすぎて搾り取られそうだ。
だが目的を忘れてはならない。

「そうだよ、これからは俺がずっと、お前のそばにいてやるからな。だから頑張って兄ちゃんの卵産むんだぞ?」
「んっ、んんっ、俺がんばる、兄ちゃんの卵、うむぅぅっっ」

そう言った瞬間、騎士の異常な締めつけの中で、俺の精子が暴発した。
体内にたっぷり出してやると、キリアンの背中は大きくのけぞり、後ろに倒れ込んできた。「イクっイクっ」と叫んでいたから、どうやら何度もイッたらしい。

「はぁ、ん……気持ち、よかったぁ……」

とろんと俺を見つめる赤褐色の瞳を捕らえ、また唇を味わう。
甘えるようにちゅくちゅくと舌を吸ってくる可愛い弟。たまんねえ。

お前の卵楽しみにしてるぞ、キリアン。
耳元で優しく呟き、また一人孕ませることに確かな手応えを感じた。



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