two sides of the same coin(兎虎、暴力、病みバニ注意)


とにかくバニーちゃんが酷いよ!
虎徹さんへの暴力表現が有るから、苦手な人はバックしてね!!!







かたん

小さな音に、僕は閉じていた瞼を開いた。
いつの間にかソファーで眠っていたらしい…腰が鈍く痛んだ。
ああ……今は何時だろうか、もうすっかり日は落ちている。

「ん……」

酷く喉が渇いた…。
水でも飲むかとダイニングへと足を運ぶ。
その途中で、

かたん

また、小さな音。

ああ、すっかり忘れていた……餌の時間か……。

冷蔵庫を探り、ペットボトルとパンを掴む。

「まぁ…これで良いだろう……」

一人呟き、僕は扉を開いた。
地下のワインセラーへと続く、分厚い扉を…。


ひんやりと冷たいセラーは、ワインの鮮度を保つために薄暗い。
その奥に、もそりと動く影がある。

「気分はどうだ、鏑木・T・虎徹」

名前を呼ぶと、かしゃんと音がした。
僕が付けた、鎖の音だろう。

鏑木・T・虎徹、サマンサおばさんを殺した殺人者。

僕は奴を掴まえた。

そして裏で手を回してもらい、この地下のワインセラーに繋いだ。
マーベリックさんは嫌な顔をしたけれど、関係無い。
こいつを、許せなかったから。
罪を償わせる為に、ポリスだのなんだのはいらない。
憎む気持ちが、あればいい。

「ほら…餌ですよ」

言いながら、這いつくばる奴の目の前にパンとペットボトルを置いてやる。

見れば見るほど……酷い姿だ…笑いが込み上げる。
首には革の首輪、両手は縛り上げて鎖に繋いで、足にも枷を付けた。
まるで囚人……いや、囚人以下だな。

「………」

奴は、目の前の食事を一瞥しただけで視線を僕に移した。
いつもいつも……こいつは僕を見てばかりいる。
憎むでも、恨むでもない…まして、恐怖でもない。
意味がわからない。

苛々する。

「っぐ!」

その腹を、爪先で蹴り飛ばす。
奴はびくんと震えて床に崩れた。

「かは…っ、は…」

呼吸することを忘れた口から、唾液と血がぼたぼた垂れた。

「気持ち悪いんだよ…何か言いたげに……毎日毎日…。その気になれば、お前なんていつでも殺せるんだ…」

そうだ、奴の生死与奪は僕の手の内。

僕はにやりと笑みを浮かべた。
それを見て奴は悲しげな顔をする。
それに苛ついて、また蹴り飛ばす。
繰り返し、繰り返し、繰り返し、繰り返し、繰り返し、繰り返し、繰り返し、繰り返し、毎日。
そうして鼻血を出して血を吐くこいつを見て、僕は満足する。
心が安らぐのを感じる。

「ふ……さて」

そういった瞬間、奴の目が見開いた。
何が始まるか気づいたようだ。
まぁ、毎日行えば馬鹿でも学習する。

僕はゆっくりとベルトを外した。

「ん、ぁ…」

奴が首を振る、拒絶の意味か?知らない。

ぺろりと、唇を舐める。
そして、奴の震える膝頭を掴んだ。

「や、やめっ…!」

「うるさい」

「―ッ!」

言葉を無視して、突き立てる。
慣らしていないそこは、いつもキツくて、でも…決して僕を拒まない。
いや、拒ませない……。

「んっ…んっ…!」

揺さぶるたびに、噛み締めた唇から漏れる声は悲痛な響きで。
でも、堪らなく僕を煽る。

「は…はぁ……フフ、犯罪者で淫乱…最悪だな…」

嘲る、罵る、そうして最後に泣くまで…僕は獣のように奴を貪る。
そうだ、捕食者はこちら、あいつは喰われるただの……

「っ…?」

ずきん、と頭が痛んで、僕は顔を歪めた。
まただ。
最近頻繁に頭痛に襲われる。
疲れのせいか…医者にいっても原因は分からない。

「クソッ…」

痛みで萎えた自身を抜き、僕は衣服を整えた。

「……また来ますよ」

若干ふらつく足で、階段に向かう。
後ろであいつが何が言っていたが、聞こえないふりをした。

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