《サポーターの用意した場所まで連行してもらいたい》


カチッと小さく乾いた音を立てて受信機の電源を落とした。親指程の大きさのそれを懐に仕舞い、人通りの無い路地を歩き出す。その足取りは軽い。


嗚呼、やっと動き出すのか。

待ちわびた、宴が始まる。

犯人を特定して連行する?やれるものならやってみろ。

精々哀れに踊ればいい。

貴様等の喉笛に、悪魔が喰らいつくそのときまで…。



上がる口角を隠すように、コートを口元に手繰り寄せる。顔はおろか手足を皆目見せない漆黒のコートを纏うその身は、同じ闇へと溶けていった。
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墮天の黒翼

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