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「あら、月精ちゃん?」
『…ミランダか』
「どうしたの、そんな格好で…。中に入りましょう?」

格段に冷え込んだ夜。
薄着のままテラスでぼんやりとしていた月精をミランダは自室に招いた。

ホットミルクを作り、彼女へと差し出す。温かい波が小さく寄せた。

『ミランダ…どうしよう…』
「?」
『今日の任務の帰りにな…、』

今朝神田としでかしてしまった事を(いつもより興味津々に頬を染めて)聞いてくれたミランダに感謝しつつも疑問を投げ掛ける。

『…何でそんなに興味示してんの』
「あぁっごめんなさい!そういう話に疎くって…。ドキドキだわ…」
『え、こんな美人に男が手を出さないのか!?』
「わわわわ私美人じゃないわよっ!」
『何言ってんの、美人だから美人って言っているんだ。私は煽てるのは嫌いだ』
「そっそうだった…。ありがとう」
『分かればよろしい』
「ふふ…」

一通り笑った後、ホットミルクを一口飲む。
優しい味だ。

「でも神田君が最初にしてきたんだから…その…貴女のことを気にしているんじゃないかしら?」
『ん〜、でも…違っていたら好きでもない奴にキスされたんだぞ?かなりショックだろ…』

あの後だってなかなか部屋から出て来なかったし…。

「月精ちゃんなら全然OKよ」
『…それってどういう意味?』

うふふ、と笑うミランダに眉間の皺を増やしていれば、突如ノイズ音が部屋に響いた。
発生源に耳を傾ける。

≪新藤―!ちょっと科学班(こっち)手伝ってくれ。もしミランダもいたら頼む!≫
『?あぁ』

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