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『何の用だ』

樹々の間(ま)から金色のゴーレム、ティムキャンピーを連れたアレンが気まずそうに姿を現した。

「ごめん…。あんまり綺麗な歌声だったんで、聴きに来ちゃいました」
『褒めても何もださんぞ』
「歌声だけで十分です」

ニコリと微笑むと、きょとんとした月精はすぐに何か思案し始めた。

『リクエスト』
「…え?」
『リクエスト、受けてやる』

ぷいっとそっぽを向いてしまった彼女。ほんのり頬が紅い。
彼女の珍しい表情に口元が緩みそうになるのを何とか耐える。

「ありがとう。じゃあ…、」

(素直じゃない貴女も素敵です!)

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