慣れって怖いですね。


「おはよう高尾君」
「おはよー雫ちゃん」


新学期がはじまって一週間、はじまりはどきどき心臓破壊の局面まできてたけど、無事生活に支障がでない様にはなった。いやまあドキドキしないわけじゃないけど普通になったそんな感じ、高尾君は相変わらず無意識なスキンシップをしてきてどうも体調は悪いけど。
昨日買った真新しい本を取り出したら高尾君にやんわりと取られる、何事かとじとりとみたらにっこりと笑った高尾君が口を開けた。


「ねぇ雫ちゃん」
「はい?」
「また練習見にこない?」
「え……」


練習、つまりはバスケ部の練習風景だ、いけない、今の私が高尾君のバスケしてる姿をみてみろ、死んでしまう。かといっていかないのも誘いをもらったのにもったいなすぎる、高尾君からのお誘いだ、断るべきか、断らないべきか、…どうしよう、どうしよう…


「いく、いか、い…い…いく」


あー自分の欲望にまけた…仕方ないじゃない、みたいんだもの、あーでも鶴ちゃんいないのか、安直でもとりあえずいかない事にははじまらない。
という言い訳でもたたておく、心の中だけだけど。


「雫ちゃんがくるなら俺頑張るわ!!」
「……うん」


そんな事いうから好きになるんだよなぁ…高尾君は魔性の男の子だなと私は心の中で苦笑いを浮かべた。
なんだか一発高尾君殴りたい。



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