「雫、プールいこうぜ」
「……い、いきなりだね鶴ちゃん」


お盆に入る少し前の事、七月八月と夏祭りにいったり鶴ちゃんと買い物したり本を読みあさったりしていて私としては十分楽しんだ夏休みだった。
あとはサボテンの考察や調べ物をまとめて宿題も終わりだしあとの数週間を読書にあてようと思っていたのだが…

それにしてもプールか…授業以外で何年ぶりだろうか、水着、水着は……
うん、スクール水着があるから大丈夫だ。


「わかった、水着持ってくるね」
「ちょいまち!!どうせスクール水着しか持ってないんでしょ!!」
「何故ばれた」
「買いにいくわよ!!水着!!」
「ええええ本当にいきなりだね鶴ちゃん」


そうして私は引っ張られてデパートに連れていかれた。
そして私と鶴ちゃんは夏も終わり頃、余り物が残る水着コーナーで二人つったっていたのだ。いや、つったってるは私だけか。


「あたしとしては白ビキニを推しますが!?」
「あ、じゃあそれでいいよ」
「あたしとしては紐を推しますが!?」
「派手じゃないからいいよ」
「よし決まり!!」


購入したのは布の面積はわりとある真っ白なビキニだった。上も下も紐で結びとめるらしい、外れないか心配だ。
よく考えたら、鶴ちゃんが私の家にきたのが十時、デパートにきたのが十時十分、水着が決まったのは十時十五分、プールについたのが十時半、とんでもない行動力だ。鶴ちゃんのそういう所は歪みない。


「つつつつ鶴ちゃん、これどうしたらいいの」
「腰で固くリボン結びするのよ」
「後ろは結べないよ」
「あたしが結んだげるよー…うおっ、雫さん結構ありますな!?」


ぎゅっと紐がしまる感覚がある。はいできたと鶴ちゃんが私の前にたつと水着は落ちる事なく私の体についていた。おお、鶴ちゃんの水着は黒地に赤レースビキニとなかなか大胆だ。


「動いても落ちない…」
「泳いでもね、よっしゃあいくぞ!!」
「わっ」


手を引っ張られて更衣室からプールサイドに飛び出す、と同時に頭に冷たい水をうける、私も鶴ちゃんも思わず叫んだ。
シャワー嫌いだ。



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