「高尾これ持ってって!!」
「おー!!」


忙しい。これは忙しい。
厨房はまだましでもフロアが忙しすぎる、なんでこんなに忙しいんだ、というか皆来すぎだろう、カフェ凄い、怖い、


「…ご注文は?」
「萌え萌えきゅんオムライス」
「そんなものはない帰れ」
「執事失格になるぞ緑間」


ケラケラと笑い茶化すマネージャーに溜め息がでる。ただでなくても人手たりないのだから別の所に行きたい。こんな馬鹿に構ってる暇はない。


「さっさとご注文しろお嬢様」
「へーい…ねぇこの抹茶ミルクってお前イメージなの?やだこのレシピの人わかってるわー!!よかったね緑間!!」
「帰ってくださいお願いしますお嬢様」
「ひでーや!でも緑間のそういうとこ私好きだよ!だからまけて!!」
「死んでくださいお嬢様」


やっぱりこいつは茶化しにきただけか。というか一人寂しく来て寂しくないのか。


「一人寂しくとかいうなよ気にしてんだから………気にしてるんだから」
「泣くな馬鹿」
「泣いてねーもんはよ抹茶ミルクくれ」
「涙目になるな、わかりましたお嬢様」


厨房に注文をあげにいけば商品を倍に渡される。なんで反比例するのだろう。
男の人に珈琲を出してマネージャーへ適当に抹茶ミルクをだす。
ストローを吸いながら頬杖をつき、せかせか働く高尾をみていた。


「…高尾頑張ってるねー噂の天使ちゃんいるから?」
「だろうな」
「…そっか…高尾…」


悲しそうに顔を歪めるマネージャーをみて、もしかしてなんて考えが浮かぶ。
いや、あながち間違ってないのかもしれない。もしかしたら…


「お前、高尾の事…」
「高尾の執事服笑えるっ…!!」
「少しでもお前を少女として扱った俺が馬鹿だったさっさと帰れ」
「えええ、酷い!!」


まってまってとベルトを掴まれる。やめろ執事服なんて構図わからないんだから脱げたら大惨事だぞ。


「わわわ、私まだシフト時間まで結構あるんだよ!!緑間はいまからでしょ!?」
「何故把握している気持ち悪い」
「緑間あああああああ!!」


うわもうちょっと泣いてるじゃないか鬱陶しい。


「いくらでも一緒にまわってやるから早く席をあけろ」
「緑間あああ!!好き!!」
「あ、はい今伺います」
「無視すんなよ!!」



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