「あんたには色々苦労かけたわね、高尾和成」
「そう思うなら今すぐ雫ちゃんから離れろ、ひっつくな」
「嫌よ、むしろお前が近寄るな」


やっぱり俺は不幸な役を回される。俺も三好にそれなりによくしてやったのに、やっぱオチはこうかクソ。


「高尾君ありがとうね」
「いや全然いいよ雫ちゃん可愛い」
「クソ仮面が、良い子ちゃんぶりやがって死ね」
「…美亜ちゃん?」
「ん?どうしたの雫?あたし何にもいってないわよ?それよりもメイド服可愛いわね」
「こいつすげーな!!」


結論を言うに、やっぱりこうなった。

あの日を境に三好は雫ちゃんにべったりなった。お前違うクラスだろ!
そして確信した、三好がどんな感情で雫ちゃんを好いてるかはわからないがこれだけはわかる、こいつは…


「雫、絶対あたしの店に来てね!」
「うん」
「嬉しい!あ、高なんとかはこなくていーよむしろ死ね」
「………はっ」


敵だ、それも最上級にレベルの高い。


「…雫ちゃーん、三なんとかなんて置いて早くパネルとか塗り終えようよ。ていうか三なんとか自分のクラス手伝えよクソアマ」
「くそあ…?」
「美亜ちょっと席外すねっていってきたから全然大丈夫おい雫に近寄るな粗チン」
「…そちん?」
「すげーなお前知りもしない癖に!!つーか下品だな男子に幻滅されろ貧乳!!」
「幻滅されてもいいもんあたしには雫がいるし」
「美亜ちゃん凄いね潔いね!」


はっ、ざまあみろと笑みを浮かべながら雫ちゃんにすりよる。むかつく、過去最大級にむかつく。くっそむかつく…超むかつく…!!
ギリギリと歯ぎしりしてたら後ろからベニヤ板で叩かれる。ポニーテールじゃなく団子ヘアにして溜め息を吐きながら鶴ちゃんがそこにいた。


「ほらかっずー手ぇ止めんな美亜も手伝え」
「うっさいわね鶴乃」
「おーおー喧しくて結構。雫、レシピ確認したいからちょっと」
「あ、うん、またね!!」


ぱたぱたと雫ちゃんが裏方へと回っていく、見送りあからさまに嫌な顔をしてる三好に向かいあった。


「…独り占めできると思うなよ」
「お前がな将来ハゲ尾」
「生え際はやめろ殺すぞ」
「…笑った顔、みてない癖に」
「……は?」

「あたしあるよ、ざまあ」


雷が落ちた。



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