「すみません、今の所一室しか空きが無くて」

「……別の所探すか?」

「いや、これ以上はもう睡眠時間が削られちゃうでしょ……相部屋でもいい?」

「俺は別に構わないけど」

ちょっと大阪まで出張に来たのは良いが、宿泊の事をほぼ完璧に忘れていた。
イベント事と被ってしまった事もあり、なかなか部屋が取れずもう3軒目だった。
高木ももうかなり疲れた様子だ、ここらで妥協するのが良いだろう。

「じゃあちょっと買い物行くから先にシャワー済ませておいて」

「わかったよ」

「荷物これだけ頼んでいい?」

「部屋においておけばいいね?」

「あぁ、……あと、ほしい物ある?」

「特にないから、レイさんの用事だけ済ませておいで」

「わかった、すまんな」

それだけ会話をするとレイは近場のコンビニ目指してホテルを出た。
高木は言われた通り荷物を置いて先にシャワーを済ませ、丁度上がった頃にレイが戻ってきた。

「随分と遅かったね」

「戻ってくるのとホテルでちょっと迷った……」

「土地勘無いもんなぁ」

「……シャワー浴びようかな。
高木、先に寝てていいぞ。むしろ寝てろ」

「え?あ、あぁ……はい」

「あと先に言っとく、寝起き悪かったらごめん」

色々疑問を抱きつつも、髪の湿り気も取れたので寝ることにした高木だった。





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