#1






「ついにシッポウシティに着いたぜ!!」
「倉庫が一杯!!」
テンションが上がり始める3人とは逆にテンションが下がっていくものがいた。

「う〜・・・もう疲れた」
一山超えてきたわけであって、ヤヅキは結構体力を削られていた。

「この街はね使っていない倉庫を芸術家に解放していることから芸術の街と呼ばれているんだよ」

「ホント!!確かに芸術の街って感じ」
アイリスが再び辺りを見渡した。
「そして、またオシャレ度も高いところから憧れの街とも呼ばれている」
「芸術の街だろうが、憧れの街だろうが関係ないぜ!!
俺の目的はただ一つ!!」

「はいはい、ジム戦だろ」
「そうだ!!」
サトシにそういった時、シェイミがヤヅキの頬を軽く叩いた。

「へ?またやるの?」
「ミ!!」
「・・・わかった」
こりゃあまたバトルすることに・・・。

こないだのベルの時は嫌だって言ってたのに・・・
と思い出して肩を落としたヤヅキ。

シェイミが言ったらやめられない。
またタックル食らわされる羽目になる。

どんだけバトル好きなんだ・・・。ったくもう。

「シッポウジムなら、ここの博物館にあるよ」
「へえ〜博物館にジムがあるってのは珍しいな。早速行こうぜ!!」



「「「えぇ〜〜!!?」」」
3人の叫び声が響き渡った。

「なんで閉まってるの!?」
「ピーカピ」
ジム戦を心待ちにしていたピカチュウとサトシは残念そうだ。

「シッポウジムにチャレンジしに来たんです!! 誰かいませんかー!?」
「ジムを兼ねてるのに休みってことは・・・それなりの理由があるんだろ?多分」

とうとう、サトシがドアを少し強めにノックし始めた。

「すみませーん!」


「・・・ん?秘宝展?」
「どうしたんだい?ヤヅキ」
「ほら、これ・・・。今日からなのに」

入口のすぐ隣に貼ってあったポスターには、秘宝展と書かれていた。
今日からって言うことになっているのに、博物館はしまっている。

「・・・だめか」
「ピ〜カ・・・」
今日はダメか、と諦めかけたその時

「うわああああああああああッ!!」




「ん!?」
「え!?」
「うん!?」
「・・・」
「ピカ??」

中から聞こえて悲鳴(?)にそれぞれの反応を見せるヤヅキ達。

なんだと思ってドアを見ていると、男の人が飛び出してきた。

「うわああッ!!」
「あ、あの・・・大丈夫ですか?」
デントが遠慮気味に訪ねるが、男の人は震えて、博物館の中を指差した。

「あ、あれをッ!!」
「・・・何も、ないですけど・・・。」
「廊下がどうかしたんですか?」
「そうじゃなくて・・・カブトの化石に追いかけられて!!」

化石?カブトって多分ポケモンだよな・・・。
化石に追いかけられたってことは・・・ああーいう系ですかね。

サトシの案で、とりあえず博物館の中を見ることにしたヤヅキ達。


「カブトの化石なら・・・此処にありますよ」
「そんなぁ・・・さっきは確かに追いかけられて」

「何があったのか、詳しく聞かせてもらえませんか?」
「は、はい・・・」
外に一旦移動して、座れる場に腰をおろした一同。

ざっくりきいたところ、
展示物のチェックをしていたら、電気が消えるなどの不可解な現象が起き始め、スタッフと一緒に確認して・・・んで、まだ謎が解けなかったから、大事を取って秘宝展は延期・・・。

「で、僕たちと遭遇したわけですね」
「不思議なことってあるもんだなあ」
「自分の今の状況のほうが不思議だけどな」
「ん?」
「あ、いや・・・なんでもねえ」
うっかり口を滑らせてしまい慌ててごまかすヤヅキ。

危ない危ない。
こんなことを言ったら混乱を招くことになりかねん。

そこで、アイリスが急に立ち上がって言い放った。
「これは・・・祟りよ!!」









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