#22



「大丈夫か?」
とりあえずミネズミの看病を始めた。

何が原因なのかわからないが、とりあえず温めたほうがよさそうだ。
そう思ったヤヅキは上着を脱いでミネズミにかけてやった。

しばらく見守っていると入り口あたりが騒がしくなった。
「どうしたミネズミ?」
駆け込んできたミネズミ。
・・・の後に続いてサトシ達が入ってきたことには驚いた。

ぎゃあぎゃあ騒ぎ出す3人とちょっと静かな1人を黙らせて状況を説明した。
「こいつ、腹痛いんだって。」
「そうか!!ミネズミはお腹を壊すと、クルミルの服の葉っぱを食べて治す習慣があるんだ」
「ってことは具合の悪い仲間を助ける為にクルミルを連れ去ったのね・・・?」

アーティーが持っていた薬をミネズミに飲ませると直ぐに元気になった。
「よかったじゃねぇか」
「ズミ!ズミズーミ」
「ん、ありがと」

わざわざ上着を渡してくれたミネズミを一撫でして、4人に訪ねた。
「で、連れ去られたというクルミルはどこ行った」
ミネズミが言うには洞窟の入口らへんでいなくなったと聞いたが。


「シキッ!」
「!? あれは」
「クルミルよ!!」

洞窟から出た瞬間、シキジカが姿を現した。
何故かクルミルが絡まっている。

シキジカは何とか振りほどきたいようだが、取れずにずっと暴れている。
そしてそのまま走って行ってしまった。
「待て!!」

5人が走って追いかけた先には
「まずい!!」
「断崖絶壁!?」


落ちたらかなりヤバイじゃねえか・・・!!


「クルミル!!俺の腕に糸を吐くだ!!」
サトシが機転を利かせてクルミルが落ちることは何とか防げた。

シキジカは反対側に着地できたようである。

「来い、クルミル!!」
しかし、強い風が吹いた。

「くそッ!!」
咄嗟にフライゴンを出してまたがった。
「行くぞ!」
[OK!]
[ミィ!]

「クルミル!!」
サトシは案の定、崖から飛び降りてクルミルを助けようとしていた。
あいつならやると思った。

クルミルをキャッチしたサトシはそのまま崖の下に真っ逆さま。
そのまま水の中に落ちると思われたが

「サトシ!!クルミル!!」
フライゴンに乗ったヤヅキがサトシとクルミルを無事キャッチした。

「ヤヅキ!!」
上から皆の声が聞こえた。

「・・・?」
来るはずの衝撃が来ないことを不思議に思ったサトシが目を開いた。
「怪我はねぇか?」
「ッ、ああ!」
「フライゴンありがとうな。おかげでこいつら無事だ。
じゃ、捕まってろよ。下手したらまた落ちるぞ?」

とりあえず上に上がるように指示を出した。

「ヤヅキ!サトシ!!」
「よぉ」

フライゴンに礼を言ってボールに戻した。
お手柄だ。

「シェイミは大丈夫だな?」
「ミィ」

「ヤヅキこそ大丈夫なのかい?」
「自分はなんともないぞ」
デントが少し心配そうにこっちを見てきた。

「お疲れ様。サトシもクルミルも無事で良かったよ」
デントが話しかけてきたことに気づいたヤヅキは体の向きを変えた。

「お疲れ様はフライゴンに言うことだろ?
サトシなら飛び込んででもクルミルを助けようとすると思ったからな。
それで怪我されちゃあクルミルが心配するだろ」
「ふふ、確かにそうだね」

穏やかに話す2人を見たアーティーとアイリスはまたニヤニヤしていたとか。

「助かった・・・ヤヅキ、ありがとうな」
「とりあえず、あまり危険なことするな。
下手したら大怪我だぞこれ」
「ごめん・・・あと、クルミルの服がボロボロになっちゃった」

クルミルを見ると確かに葉っぱの服がボロボロになっていた。
「それは僕たちに任せてよ」
その言葉と共に出てきたポケモン。

図鑑で調べたらハハコモリ、とか言う奴らしい。





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