#3
「・・・うん?バチュル?」
「バチュー、バチュバチュ・・・」
「ああ・・・まあ、そういうこともあるわな。大丈夫。無理にでなくてもいいさ。」
バチュルはあまりバトルが得意ではないらしい。
緊張してお腹痛くなったとか(笑)
「んじゃあ、フードの中に入ってな。」
とりあえず温めておこう。
フードの中なら、結構温まるんじゃないか?
んじゃ、シューティーに3対3でって言っとかないとね。
「バチュー」
「だからいいっての。・・・ッ!?」
この前の、ドリュウズの時みたいに、視界が真っ暗になった。
「・・・これは?」
随分と小さい視点だな・・・・。
少し静かに頭に流れる映像を見ていると、人間が現れた。
「ヤヅキ!?」
「は・・・ッ!!」
前のように呼ばれたことで意識が急激に覚醒した。
「・・・あれ?サトシ、デント、アイリス・・・どうしたの?」
「どうしたのってのはこっちのセリフよ!!」
「いきなり倒れたからびっくりしたんだよ?」
え?倒れたの・・・?
「・・・別になんともないけどなあ?」
手のひらを握ったり開いたりしてみても、違和感は感じられない。
ついでに、普通に立つこともできた。
「・・・なんだろう。これ。」
自分の身に、何か起こっているのだろうか?
もしかしたら、トリップした原因って・・・?これ?
黙り込むヤヅキを見て、3人はだんだんと心配になってきた。
そこに、シューティーがポケモンセンターから戻ってきた。
「・・・何かあったのか?」
「え?ああ、大丈夫だ・・・。いつでも始められるよ。でも、4匹のうち一匹が調子悪いらしいんだ。済まないが、3対3で頼む。」
「わかった。」
サトシ達はヤヅキを心配しながらも、観客席につき、2人は立ち位置に着いた。
「んじゃあ、とりあえずシェイミから行ってみようか。」
「僕はプルリルだ!!」
プルリル・・・?ああ、あのクラゲっぽいやつか。
一人納得してフィールドを見る。
「先攻どーぞ」
「じゃあ、遠慮なく!水の波動!」
水の波動・・・追加効果が混乱、だったな?
「上に飛んでかわせ!」
「ミィッ!!」
軽々と飛び上がったシェイミ。
その小さな体が着地する前にヤヅキの指示が飛んだ。
「マジカルリーフ!」
「ミィィッ!!」
無数の葉がプルリルに向かって飛んでいく。
「守る!」
「プゥ、ル!」
守るを使うことで凌いだシューティー。
「うし、エナジーボールを、プルリルの足元に。小さいのたくさん」
「ミィミィミィッ!!」
たちまち砂塵が立ち上った。
「何を企んでいるんだ!?」
悪くなった視界に戸惑うプルリル。
「今だ!!マジカルリーフ!!」
「ミィーッ!!!」
砂塵に隠れてプルリルの右横に回り込んだシェイミが、マジカルリーフを放つ。
「プゥル!?」
「プルリル!?」
シューティーの焦ったような声。
「シェイミ、念のため戻ってこい」
砂塵の中からシェイミが出てくる。
だんたんと収まっていく砂塵の中には目を回してしまった様子のプルリルが。
「プルリル戦闘不能!シェイミの勝ち!」
「・・・予想外だ」
審判の声を聞いたシューティーがぼそりと呟いた。
「よーし、ナイスだシェイミ。」
「す、すごい・・・プルリルに触ることなく・・・のろわれボディを知ってたのかな・・・。」
観客席では、アイリスとサトシが話をしていた。
「すげえ!すげえよヤヅキ!!」
「ま、どっかの誰かさんはのろわれボディに苦戦してたけどね。」
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