#20



39、40


「ッ!?」

ヤヅキは目を見開いた。

なぜなら、視界が闇に染まったからだ。
……なんで?


少し考えていると、頭に映像が流れ込んでくる。
……でかいシロクマのようなポケモンと、ドリュウズだ。
何故、こんな物が見える??

「―――――、ヤヅキ、ヤヅキッ!!」

「!!」

デントに呼ばれ、頭の中の映像がフッと消える。

「……大丈夫?」

横を見れば、心配そうな表情をしたデントがいた。

「え……ああ?大丈夫」

「フラッと倒れたんだ。すぐ起きたけど……」

「……ごめん、大丈夫、ありがとう」

そしてドリュウズを出したアイリスはというと。

「……もういい!私がやる!!サトシ、ヤヅキ、デント、ペンドラーを足止めして!!」

その間にあたしが行く!と言い出すアイリス。

「……了解。アイリスの決意は相当硬いらしいしね。」

「でも、大丈夫かい?」

「んじゃ……自分が空からサポートする。やばくなりかけたら、行くからな!」

言い切ると同時にひとつのモンスターボールを投げた。

「フライゴン、度々すまない。また、力を貸してくれ!」

もちろん、とでも言うように一声あげるフライゴン。

「シェイミは、どうする?」

[行く!!]

いつものように肩に乗ってきたシェイミ。

「よっしゃ。行くぞ!」

たちまち空に舞い上がるフライゴン。
下からはデントやサトシの声が聞こえる。
ヤナップはソーラービームのエネルギーを貯め始める。

しかし、ペンドラーは悠長にエネルギーを貯める時間などくれなかった。

「うし、シェイミ、エナジーボール!目を狙って」

「ミ!?」

「冗談・・・足元で。」


「フライゴン、龍の息吹!」

2つの光がペンドラーの足元を抉る。

うん、いい感じ。

下ではサトシ達がポカブを出してペンドラーを足止めしていた。
10万ボルトと火の粉を同時に足元にやられてとうとう動きを止めたペンドラー。

それを待っていました、と言わんばかりにアイリスが木の上から接近した。
器用に蔦を使ってペンドラーの頭上を通過し終えるころには、彼女の手にはキバゴの姿があった。
目的を達成したと判断したヤヅキはフライゴンに地上に降りるように指示をした。

「ご苦労さん、フライゴン、シェイミ。」

軽くなでると、嬉しそうに目を細めていた。
キバゴを無事奪還することができたアイリス達はとても嬉しそうだった。 彼女たちの喜びように、こちらまで嬉しくなってくる。

それだけキバゴが大切「ペンッドーッ!!」・・・え?

ペンドラーの怒りは未だおさまっていないらしく、再び攻撃(?)をしてきた。
……わざとか知らないが、ヤヅキの顔めがけて砂が飛んでいった。

「うぇ、ペッ!!砂!?」


「……?ヤヅキ……?」

口元を手の甲で拭っていたヤヅキの動きが止まったことに不信感を抱き、見てみれば……、

「ふふふ……そんなに消し炭にされたいか、このムカデがああああああああああああッ!!」

(ヤヅキがキレた……あの目は本気だ。)

ご愁傷様、とペンドラーに向かって合掌した3人だった。
ペンドラーの動きは未だに止まらず、ドリュウズを蹴飛ばしてしまったようだ。
当然、飛んでくる。

それも、ヤヅキ達の方向に。
ヤヅキは余裕を持ってかわすことができたが、サトシ達は気づくのが遅れたのか、避けるのに苦労したようだ。

「やる気だなあ。バチュル、ロトム!」

いつの間にかボールに入っていた2匹を呼べば、ふふふ、と怪しく笑みを見せた。

「ダブルエレキボール、かましてやれえええええええええええええッ!!」

「ペンドッ!?」

急に飛んできたエレキボールに動きを止めるペンドラー。
そこで、ドリュウズが回転しだしたのを見たヤヅキは、指示を出すのをやめた。

「ご苦労さん。後はあいつの仕事だから。」

そう言うと、いつの間にかポッカリと口を開けている穴を見た。

「一発ドカンとやってくれないかな」

「どうするんだアイリス!!ドリュウズに指示は!?」

焦り気味のサトシがアイリスに聞いた。

「出してもダメ。聞いてくれないの」

「「え!?」」






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