#3



5 さぁ、バトル


「紳士淑女、お父様お母様、お嬢ちゃんお坊ちゃん、そしてポケモン達!!
アイントオークの収穫祭へようこそ!!
町長のモーモントでございます!」

街の広場で開会式のようなものが始まった
マイクをもった町長が挨拶を始める

皆の首には、参加賞の代わりであるペンダントがぶらさがっていた

「…正直、のらないんだけどな」

[ミィは出たいの]

「はいはい
………おっと、始まるぞ」

町長の高らかな宣言の元、バトル大会が始まった
皆が一斉に散らばっていく

ルールは、街で参加賞を持ったトレーナーに出会ったら、一対一のバトルをし、負けたら参加賞をあちこちにいる審判に渡す、というルールだ

のんびり歩いていると、目の前にトレーナーが飛び出してきた

さっそくポケモンを出してきた

「……クイタランね
相性は悪いがなんとかなる
行くぞ」

「ミィ!!」

相性などものにせず、クイタランに着実に、じわじわとダメージを与えていき、倒した
多少受けたダメージはオレンの実で回復する

「よーし、順調」

「ミー」

「のんびり次探そうか」

売店見たり、トレーナー倒したり、売店みたり、公園で休んだり…そんなこんなをしている内に結構な時間が経ってしまった




「ヤヅキ!!起きてよお!!」

「……ん、」

「どうしてこんなところで寝てるんだい?」

「んあ?
……ありゃ、寝てた」

のんびりしすぎて寝ていたらしい
……そういや、大会の途中だったっけ?

「もう……ヤヅキ寝てるから不戦敗になっちゃったのよ!」

「あ、そーなの?」

やっと意識がはっきりする
まさかの不戦敗か
あーあ、寝過ごした

「まったく……こんな所で寝てて、何かあったらどうする気だったんだい?」

「? いや、陽気がよくてつい」

「そうじゃなくって……」

デントが苦笑を浮かべ、ヤヅキは首を傾げた
そうじゃないのか?

「それと、今からサトシが決勝戦なの
一緒に見ましょう?」

「おう」



6 不思議


アイリス達に連れられて自分が寝ていた公園から少し離れる
サトシ達はすぐ見つかった

「…ズルッグでやってるのか
相手はサザンドラ……体格差がキツいな」

「でも可能性はあるよ」

「あいつらなら、何かやらかしそうだな」

だが、ズルッグはサザンドラn弾かれて近くの茂みへ入ってしまう
が、すぐに勢い良く戻ってくる

(………様子が違う)

「ズルッグ、もう一度ずつきだ!!」

「ずぅうう、るっぐ!!!!」

「!?」

凄まじい威力のずつきが放たれ、サザンドラがふっ飛ぶ
そして、一撃でサザンドラをノックアウトさせてしまった

「サザンドラ戦闘不能!!
ズルッグの勝ち!!」

二人が喜び合う中、いくつかの疑問を持った
…なんで、あんなずつきが出せた?
最初とはまるで違ったあのズルッグの雰囲気は何だ?

しかし、それもすぐ解決することになる
対戦相手の少女が、あるポケモンの名前を出したからだ

「今のはビクティニね」

「ビクティニ?」

「何の事です?」

少女はカリータと言うらしい
カリータが言うには、ビクティニがズルッグに力を貸す所を見たという

アイリスが売店で買ったストラップの事かと思ったが、カリータは本物を見たという
だが透明になって消えてしまったらしい

「……ふん、ビクティニが透明になれるのなら、色々助けられてる可能性が出てくるな
サトシのシキジカ助けたジャンプ力とか、消えたマカロンとか
マカロン、浮いてたし
自分もたぶん、声を聞いてる」

「俺も、洞窟の中で声を聞いたぞ?」

皆してキョロキョロと辺りを見渡す
近くに、居るかもしれない

「近くに居るんだったら出てこいよ、ビクティニ!!」

「サトシ、マカロンがある」

「さっすがデント!気が利く!!」

サトシはマカロンを掲げるとビクティニに呼びかけた
何処からか声が聞こえ、マカロンがふわりと浮いた
さくさくと音を立ててマカロンが消えていく
そして、設置されているシーソーがかたんと傾き、その上にビクティニの姿が確認できた

「いた!」

「本当にいたんだ…」

しかし、直ぐに姿を消してしまう
まだ警戒されているらしい

ビクティニをおびき寄せる為に、サトシはマカロンを食べる振りをしてみせた

「そんなんで出てくるわけ…あった」





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