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3 迷った


アイントオークに出るために城の中を通ることにした。

ピカチュウやキバゴが城の中をキョロキョロと見回しながら先導していく。

「これほんと美味しいよ!マカロン最高!!」

両手にマカロンを持ったサトシが口をモゴモゴと動かしながら言う。
とりあえず飲み込んでから喋れ。

シェイミは自分の頭の上でマカロンをもさもさと頬張っていた。

「......シェイミ、欠片が」

欠片が落ちてくる。
仕方なく腕に抱き直して髪に着いた欠片を払った。

[これ美味しい!]

「そっか、よかったなデントに礼言っとけよ」

「ミィー!」

「美味しかったかい?」

そんなデントの問いかけに勢いよく首を縦に振るシェイミに思わず笑いが溢れた。

「あれ?」

突如上がった疑問の声に、皆がサトシを見た。

「マカロンが消えちゃった」

「自分で食ったんじゃね?」

「まだ食べてなかった」

肩を落とすサトシにデントが慰めの言葉を掛けたが、もう1つあったりして、なんていって何処からかマカロンを取り出すもんだから思わず頭を軽く叩いた。

「なら最初から騒ぐなよ」

「いった、...うん、ごめん」

このときのヤヅキは少し怖かったと言う。

口にマカロンをいれようとしたサトシだが、再びマカロンは消えてしまった。

「..............何か居るな」

「ミィ」

今気配を感じた。
何かポケモンが居るのかも。

そう思って辺りを見渡していたのだが、街の方から花火が上がったことにより、マカロンのことなど吹き飛んでしまった。

花火は祭りの始まりの合図。
急がなければ、バトル大会に間に合わなくなってしまう

「お祭りが始まるんだ!」

急ごう、と出口を探すが城の作りはなかなか複雑らしく、なかなか出口が見つからない。

どうしたものか、と頭を悩ませていると聞き慣れない声が耳に響いた。

「案内しようか?」

近くの階段から降りてきた男は、不思議な風貌をしていた。

服は民族服のようなもの。
髪は半分で白黒に別れている。

...なにあの髪の毛。
染めたの?
どうしたらああなるの?

ヤヅキからした男の第一印象は髪の毛不思議な人だった。





4 売店


城の事をよくしっているらしい男性に着いて出口を目指す
それぞれ簡単な自己紹介をし、男性の名前も判明した

ドレッド、というらしい

流石、地元の人間というか、最短ルートで街まで案内してもらうもとが出来た
礼を告げ、ドレッドさんとは別れて大会の会場へ向かう

「……随分と賑やかだな」

お祭りと言うだけある
露店、パフォーマンスショーなどなど
少し見えただけでも賑やかな様子に笑みすら浮かぶ

「ヤヅキ、見て!
ゴルーグ!!
しかも色違いよ!!」

「おぉ……でっかい」

色違い、初めて見たかも
綺麗
もちろん普通の色も好きだけど

ゴルーグは何処かへ向かっているらしい
ついていくと、屋台があった
屋台の店主のポケモンらしかった

屋台は土産物屋の様だ
……記念に何か買おうかな

真っ先にアイリスが一つの商品を手にとった

「これ可愛い!!」

「勝利のポケモン、ビクティニ人形よ」

ビクティニ?とアイリスが聞き返す
聞いたことないポケモンの名前だ

店主のばさんは、丁寧に解説してくれた
この地に古くから住んでいると言われるポケモンらしい

「へぇー、あってみたいな!」

サトシのそんな言葉に皆が賛同する中、ヤヅキはビクティニの名前を頭の中で繰り返していた

(来るとき聞こえたあの声………
ティニ………ビクティニ……ほむ、)

もしかしたら、サトシにシキジカを抱えて反対側に飛べるまでの力をくれたのはビクティニだったのかもしれない
姿こそ見えなかったが……

「ヤヅキ??どうしたの…??」

「ん?いーや、なんでもない」

ボーッとしすぎた様だ
デントに心配された

そしてアイリスはそのビクティニ人形を買うことにしたらしい

「んー……何か買いたいな」

「ヤヅキも、何か買うのか?」

「あぁ、折角だし
それに……いや、いい。ふふ」

もしかしたら、ビクティニの姿が見れるかもしれない
そんな予感を感じていたヤヅキは、もしビクティニに会えたらこれを見せてあげたいなんて思いながらストラップを選んだ





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