#ハロウィンネタ inジョウト



ジョウト旅の途中、デントとヤヅキは小さな町にたどり着いていた

「賑やかだねぇ」

「あれか、ハロウィンだからイベントでもやってるのか」

「………そうみたい」

町の中心部に来ると、沢山の露店が並び、仮装した町の人達が沢山見えた
…ハロウィンってどういうイベントだっけ

日本でいうお盆みたいなものだっていうのは聞いたことあるけど

「あ、あれ美味しそう…
ちょっと見ていってもいいかい?」

「ん、いーぞ
自分も見たい」

道端に並ぶ露店を見ながら歩いて行く
こういう楽しげな雰囲気は嫌いじゃない

[ミィ、あれ食べたい!]

「どれ?……これか
おじちゃん、これ」

「あいよ!
……おお、仮装してねぇな
他所から来たのか?」

「えぇ、そうですけど」

「今日この町に居るなら仮装した方が良いぞー?
そこら中の店がサービスしてくれっからよ」

露店のおじちゃんは、何かに気づくと声を上げた
誰かを呼んでいる様である

「この二人、やってやれよ」

「……あら、他所の御方?
いらっしゃい、服の貸出をしているわ
今日限定よ」

「あ、はい…」

おじちゃんに呼ばれたおばちゃんの妙な気迫のせいで固まっていたら、引っ張られていた
そして路地に少し入った所の一軒の家に案内された

「そうねぇ………貴方、そのベストを脱いで………マント!
あと付け歯」

「これは、吸血鬼のテイストですね!?」

「貴女は………耳、尻尾
服は…スカートなんてどう?」

「スカートは遠慮します」

「じゃあこんなのどうかしら
短パンにニーソ…えぇ、行けるわ
上はそのまま…よし」

ちょっとまって、ニーソって
そういうのとは縁が無いんですけど

あれじゃん、絶対なんたらって奴

「この町は町長が変わった人でねぇ……
ハロウィンなんかのイベントで仮装してない人を見つけると…」

「み、みつけると??」

「ふふふ、まぁどうなるかはお楽しみ、ね
服はポケモンセンターかここに返しに来てくれればいいわ」

だから早く着替えてらっしゃい、と更衣室に突っ込まれた
今の流れは謎だが、とにかく仮装しないと面倒臭いんだな理解しました





「僕、仮装とか好き方だから楽しいよ!」

「これ仮装なのか?」

「耳と尻尾ついてたらもう仮装になるんじゃないかな
触り心地良いね、これ」

「あ、あのさぁ、あんま触んないで??
変な感じする…」

別に触られてる感覚がするわけでも無いのにムズムズする
なんでかしらないけど

「ヤヅキはゾロアとか結構似合いそう」

「ゾロア?」

「こういう耳系良いなぁって」

「………ふーん」

(あ、ちょっと耳赤い)

照れてるのかな
指摘しようか迷ったが、機嫌を損ねそうだと思ってやめておいた

こういう所なんか可愛いなぁ…

「…何ニヤニヤしてるの?」

「ふふっ、んーん、なんでもない
あ、綿飴なんて売ってるんだ
食べる?」

「…食べる!」

仮装しているお陰でかなりオマケしてもらえた綿飴を頬張りながらまたあちこちを歩く
暫く歩き続けたせいで少し疲れてきた

「疲れてきた?
少し、休むかい?」

「…うん、ありがと」

人通りが殆どない所の木陰に座りこむ
あー、足疲れた

ぐっと背伸びをして体を伸ばす

「楽しいけど、ちょっと疲れた」

「大丈夫かい?」

「まーね
あー気温も丁度いいから寝たい」

10月末とは思えない暖かさだ
眠気がくる

「昼寝でもするかい?」

「それも良いなぁ…
………あ、やばい
眠い……」

「…腕貸そうか?」

「頼んでいい?
デントの腕、丁度いいし」

先に寝転がったデントの横に寝転がり、腕枕をしてもらう

言っておくが、この二人付き合っている訳でも無い
(主にヤヅキが)色々と無自覚なだけである

「あー、枕の何倍もいい」

「それならよかった
…眠い?」

「………ん」

「いいよ、寝ても
おやすみ」

「…おやす、み………」

「………寝るの早いなぁ
僕も寝ようかな」

というか、ヤヅキは男である僕の目の前で寝ちゃってて良いの?
無防備だなぁ…

「今日はハロウィンだから、イタズラしても許されるよね」

首にかかっているヤヅキの髪を除け、顔を近づける
服を着ていて、ギリギリ隠れるかどうかの場所に吸い付いた

…ヤヅキが起きる気配は無かった





(あれ、赤いのついてる
…なんだろ
痛い訳でも痒い訳でも無いし)

(やっと気づいたみたいだね…)

ヤヅキが鎖骨あたりについた赤に気づいたのはその日の夜、ポケモンセンターの鏡を見たときだった






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