レイさんが珍しく寝ているらしい
……珍しくって言っても、いつもは夜遅く寝てすぐ起きているらしいんだけど
それがたまに、朝になっても起きてこない事があるそうだ

「レイさん、失礼します」

そして、起こしてこいと言われた俺、エレン・イェーガーはレイさんの部屋に入った
早くしないと兵長に削がれる

「レイさん?」

床に散らばる書類を避けながらベッドまで進むと、ベッドで死んだように枕を抱えて眠るレイさんを見つけた

……生きてるのか?これ
おっそろしく静かに寝てらっしゃる……

近付くと胸が僅かに上下しているのが確認できた
つーか枕抱えてるの可愛いな……

って、それどころではない
起こさねば

「レイさん、朝ですよ
兵長達が待ってます」

「……ゃ、…」

「レイさん」

揺すってみても駄目だ
シーツを剥がして窓を開ける
陽の光を浴びれば目が覚めるかもしれない

「……、下着で寝てたんですか、貴方…………レイさん、朝ですってば」

シーツ剥がしたのは失敗だったか
目のやり場に困る

「………ん……ゃ、だ……」

「朝ですよー!」

「兄さ、ん……もう……ちょっと」

「うおっ!?」

腕を掴まれ、凄い力で引っ張られる
引っ張られるがままベッドにダイブすると、レイさんが抱きついてきた

下着でそれは不味いってレイさん………!!

「レイさんってば、起きてください!」

「………やー…だ」

やばいって、どうしようこれ
色々当たってる
当たってるから
ねえレイさんお願いだから起きてください………!

「……ぁ、む」

「ひっ……!?」

はむ、と首あたりに甘噛みされて体が跳ねる
寝ぼけ過ぎでしょう……!?
流石に、不味い
誰かを呼ぼうと抜けだそうとしたが、力が強くて抜け出せない
流石だ
いやそうじゃない
確かに腹筋とかかなり硬いけどそうじゃないぞ

「たまに、……くら……
甘…えた……ぃ」

「………」

そういやさっき兄さんとか言ってたな
お兄さん居るのかな
甘……えてるのか?これ
レイさんが甘えるってイメージ、あまり無いけど……

「…………」

また深い眠りに落ちていくレイさんを、起こせない
疲れてるのだろう
たまには良いんじゃないだろうか
……でもそれを決めるのは兵長であり、俺ではない

抱きつかれたまま、どうするべきか考えた






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