「………何してんだ」

「兵長! 助けてください……!」

レイを起しに行ったきり戻ってこないエレンの様子を見に来たら、捕まっていた
がっしりと
とりあえずエレンは後回しにしてレイに手を伸ばす

「…………レイ」

軽く叩いてみるが、反応しない
こりゃ駄目だ、相当深い所まで落ちている
長い時間寝たレイの寝起きが悪いのはいつもの事ではあるが

「……エレン、動くなよ」

「え、あ……はい」

こうなれば奥の手だ
レイの弱点を突くしかない

レイは異常に耳が良い
その分耳とその周辺は異常に敏感なのだ
少し触れようとすれば、全力で逃げていく
反応が過敏なため、急所でもありレイの弱点といえる場所になっている

それさえわかっていればこいつを叩き起こすのも容易い
レイの耳に口を寄せ、ふぅっと息を吹きかける
ピク、と反応したのに広角を上げながら、口を開いて噛み付いた
ぺろり、と舐め上げれば叫び声が上がった

「ひぁっ……!?」

飛んでくる腕を掴み、また舐め上げる
悲鳴じみた嬌声が上がるのに、目覚めた事を確信して離れた

「っ……てめぇっリヴァイ!!」

「あ?」

「何してんだ!」

涙目だ
しかも紅潮している
それにしてやったり、と笑みを浮かべながらレイを見て嘆息した

「起こしてやったんだろうが
会議があるのを忘れたか」

「起こし方ってもんがあるだろうが……!!
耳元で喋るんじゃねぇ!」

「それとエレンが死にそうだ
離してやれ」

「……レイさんってあんな声、出るんですね…………」

「エレン、窓から投げられたくなかったら全てを忘れた上でリヴァイ連れて出てけ
着替える」

そう脅されたエレンに腕を掴まれ、すごい勢いで引っ張られる
その勢いのまま廊下に出た
……火事場の馬鹿力って奴か
俺も突然のことだったし、踏ん張りが効かなかった

「いでっ」

「………」

エレンは転んでいる
結構派手な音がした
かなり痛いだろう

「…………兵長、引っ張ってすみません
とりあえず戻りませんか」

「………そうだな」

とりあえず引き上げる事にした





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