「レイ分隊長だー!!」

「間もなく壁に到達します!!」


壁外調査で巨人に囲まれ、撤退命令が出たのに身動きが取れず、馬まで失い……
今まで生きていてここまで絶望したのは初めてではなかろうかと思わされる

かれこれ1周間程、壁外に取り残されていた訳だが、命からがら生還する事が出来た
動くのは夜間だけにして、あとは木の高い位置でひたすら身を隠す
なんとか巨大樹の森を拔け、平地に出た所で馬を見つける事が出来た
これによって希望が見えてきた

平地に出てからは、見つけた馬に乗って走り続けた
日も明けた
巨人が動き始める
途中、巨人をなぎ倒しながら平地を進んだ



お陰で、ガスは僅かにしか残っていない
おそらく壁は登り切れない

門を開けてもらうか、馬を残して登るかのどちらかだ
どちらにせよ、危険が付き纏う
門をあけるのはリスクがでか過ぎる
登るにせよ、おそらく中盤でガスが尽きる

「レイ!!」

「っ、リヴァイ……」

「ここまで来い!!」

「……ん」

壁に張り付いたリヴァイが叫んでいる
半分以上は降りてきてくれている
あそこまでなら、多分届く
馬は今は放してやる事にした

「本当に助かった、ありがとう
いつか、また壁内に入れてやるから
どうか生きていてくれ」

「ブルルッ」

巨人は人間以外に興味を示さない
しかし、奇行種は別だ
そう簡単に行かない
時折、踏み潰されてしまう事もある
まぁこいつは賢いから大丈夫だろう

「レイ!!!」

「……じゃあな」

残りのガスを使って壁を登る
リヴァイの所まで来たら、正面から抱かれた

「首に腕回せ
もうガスはねぇだろ」

「ん」

聞いたことのないくらい優しい声だった
この時、リヴァイの腕の中に半端じゃなく安心した
そのまま、俺は眠ってしまった













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