勘弁してほしい
なんで急に雨が降るんだ


内地に少し用があり、馬で出掛けたら、帰りに酷い雨に降られた

視界がかなり悪い中、なんとか旧本部まで戻ってこれた
短時間だから、とマントを置いていくんじゃなかったな
あれがあればまだマシだったかもしれない

馬を馬屋に繋ぎ、軒下に入ってジャケットを絞る
かなり水を吸っていて、少し絞るだけで砂の地面に染みを作った

「ブルルッ」

「ん、どうした」

ジャケットを壁に引っ掛けて軽く拭いてやる
濡れたままじゃ気持ち悪いだろうしな
これから先も世話になるだろうから、何かあったら困る

「こら、舐めるんじゃない
……もう大丈夫だ
ご苦労だった」

引っ掛けたジャケットを回収して馬屋を後にした






「レイさん!」

「……ペトラ」

「びしょ濡れじゃないですか!
すぐタオル持ってきますから、少しお待ちを!」

建物入り口で入るのを躊躇っていると、運良くペトラが通りかかった
彼女は宣言通り、1分もしない内に戻ってきた
リヴァイに見つかったら怒られるだろうに、全力疾走して、だ
俺も一刻も早くこの気持ち悪さから脱したかった事もあり、咎めなかったが

「ジャケット……は着ててください
透けてます」

「………あぁ
だが一旦絞らせてくれ」

一歩外に出てジャケットを絞る
さっき絞りきれなかった水が滴り落ちていった

「おいペトラ、騒がしいがどうし……」

「ちょっオルオ!!引っ込んでなさい!!あんた達も!!!」

先程の足音と声を聞きつけてきたのだろう、オルオとグンタ、エルド
彼らの存在を察知した瞬間に彼女がタオルを被せてきたので顔は見えないが、混乱してそうな気配はする

「さっさと引っ込んで!!」

「なんでだよ!」

「おいオルオ!不味いって、ほら来い!!」

察したエルドが動いたのだろう
やがて足音が遠ざかって行った

「……はーぁ、危なかった」

「………ペトラ、もう外して良いだろうか」

「レイさんはすぐお風呂へ
着替えは用意しますから」

「助かる
……ついでにコレ、リヴァイに頼む」

濡れないようになんとか持ち帰った書類をペトラに託す
明るい返事をして、先程の男達が消えていった方へ駆けていった
その先からペトラの大声が聞こえた



お風呂わかして!私着替え取りに行くから!

お、おう
まかせとけ!


……なんか申し訳なくなってきた
オルオ、スマンがよろしく頼んだ
正直寒くて仕方ない






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