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広ーい空間に高い天井。すっごい豪華なシャンデリアがいっぱいぶら下がってる。足元を見れば重厚な色の深紅の絨毯。めちゃくちゃ高そうだよ!
そして俺の目の前には、とーっても豪華なお料理が沢山っ!
お肉に野菜に果物などなど。
さっすがコーネリアのお城の立食パーティだね!

「ケーキはいかがですか?」

振り向くとメイドさんがにこやかに笑いながらケーキをお盆に乗せて立っていた。

「食べるっ!」

「あたしにもちょうだい」

「あたしもあたしも〜!」

凄い勢いで俺の横からメイドさんに訴えかけるリーナとセマ。
そこまでムキにならなくても……。

「はい、どうぞ」

「美味しそうね!」

手渡されるとすぐさまケーキをつつき始めてるし。もうちょっと落ち着いたら良いのに。
俺も渡されたショートケーキの苺を口に運ぶ。
ん〜、ケーキに乗ってる苺ってすっぱいんだよね。でもこのあとケーキの生クリームを食べるとより一層クリームの甘さが引き立ってとても良い感じ!

「あれ〜?リーナとルノスは苺先に食べちゃうの〜?」

俺の横でセマが不思議そうにリーナと俺のケーキを見ている。

「だって先に苺食べとかないとすっぱいじゃん?」

「そーよ。先に食べなきゃ損よ」

「だけど何か先に食べたらもったいないじゃん〜」

う〜ん……確かにそう考えればそうだけど、やっぱ始めに食べる方がいいよ。
そんな考えが顔に出たらしく、セマは頬を膨らめすぐさまザスを味方に着けようと奮闘し始める。

「ねぇ〜、ザスは苺あとに食べるよねぇ〜?」

「俺は別に特にこだわりは……」

「苺は後〜!」

「……あ……ああ」

ザス弱っ!
ほんっとにびっくりするくらい弱いね!この人……!もっと自分をしっかり持った方がいいんじゃないかな。
あーあ、情けない。
はふぅ……。
「リーナちゃん!」

突然の事だった。やたらとうるさくて少し裏返った声が後ろから聞こえたのは!


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