クリムゾン・えんぱいあ! その1
とてつもないお金持ちの主人公がいろんな人に悪戯するシリーズ。


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「ふふ・・・・・ふふふ・・・そう・・ついに・・・よっしゃあ!善は急げだよ魔法使いさん!
早く、早く!」


子供らしくわがままに何かを急かしている太一。


「分かった、分かったからそんなに急かすなよ」
「そうそう、あんまり急がせちゃ可哀想だぜ?もう若くないんだから。」
「あ・・・そっか・・・ごめんね、魔法使いのおじいちゃん。」
「おじっ・・・せめておじさんとかさ・・・。」
「おじさんはこっちの魔法使いさんだからだめ。」
「オレ・・・・?」
「あはははははは、お前ついにおじさん呼ばわりされる歳になっのか!」
「そんことより早く!おじいちゃん!」
「・・・・・・・・・・・・あんたたち、何してんのよ。」

そろそろ頃合いだろう、こんな大人気ない大人と子供っぽくない子供のやりとり、聞いてる方が恥ずかしくなる。


「あ、メイド長さん・・・何って・・・まぁメイド長さんならいいや。あのね、僕って小さいでしょ?
いっつも皆に見下ろされちゃうし、頭撫でられるし・・・・。
と、いうわけで!今日一日、大人の姿になれる魔法をかけてもらっていつも僕の頭を撫でてくる人に復讐をしてやろうと
この魔法使いのおじさんたちに頼んでたんだよ!」

復讐なんて物々しい言葉が出てきては来たが、要はいつも頭を撫でられるからたまには自分も撫でてやりたい、と言う訳らしい。

「・・・私たちに被害はなさそうだけど・・・・大人になれる魔法って・・・・
大丈夫なの?副作用とか・・・ないの?」

いくら魔法バカなオランヌでもいたいけな子供をだまして魔法をかけるなんてことはないと思うけど・・・

「そこらへんは大丈夫!きちんと体に負担がかからない程度に程よい年齢まで上げるよ!
そうだなー、ベルって今は10歳になったばかりだっけ?」
「そうだよ。ちなみに将来は身長2メートルを超えるつもりだから!」
「2メートルって軽く化け物じゃねーか・・・
オレ、身長が2メートルになったベルは見たくねーな・・・。
お前は今のかわいーい、子供のまんまでいいと思うぜー、大人なんて急がなくてもいつか絶対なっちまうし。」

そういってマイセンは太一の頭をポンポンとあやすように叩いた。
軽くて適当そうに見えても結構面倒見がいいらしい。


「うー、僕だって早く大人になりたいわけじゃないよ!
ただいつも頭を撫でられて可愛いって言われるだけじゃ、つまんないんだもん!
たまには格好いいとかって言われたいの。」
「ふーん・・でも大人になっても背が伸びて格好よくなるとは限らねーぜー?
身長も伸びなくて、顔も今のまま・・・かもしれないぜー?」

意地悪くマイセンが言う。

「大丈夫!だって僕将来有望な顔だから!マイセンとは違うんだよ!」

笑顔で太一に反撃された

「言われちゃったねー、まー確かに、将来有望な顔ではあるよねー。」
「そうねぇ・・・髪の毛はサラサラ、眼も大きくてきれいな蒼で人形みたいだし・・・。」

というか初めて見たときは人形だと思った。
悪趣味な貴族が人間の子供そっくりな美しい人形でも作ってきたのかと思ったのだ。
それくらい太一の顔は作り物じみたうつくしさをしていた。

「やだなぁ・・みんなそろって僕を褒めても、出てくるのはお金位しかないよー?」
「お金はでてくるのね・・・・。」
「うん、腐るほどあるから。」

ベルの場合、それが洒落にならないのが恐ろしい。
確かに彼の財産は毎日湯水のようにお金を使っても一生使い切れないほどだろう。
それこそ腐ってしまいそうなほど持っているんだと思う。
「ま、みんなお金なんて有り余るほど持ってるし!
今はそれより僕のことだよ!魔法使いさん早く!」
「はいはい、そうだなー・・・一応聞いとくけど何歳位がお望みなのかな?」
「二十代後半!」
「二十代後半・・・また随分上げるねぇ・・・・」
「だってこの城の人って大体二十代以上が多いし、僕もどうせ変身するなら、誰だかわからなくなる位大きくなりたいもん。
あ、だからっておじいさんにするとかってのはナシだからね?老後の自分なんて見たくもないから!」

「分かってるって、じゃあなるべく二十代を目指してみるから」

「ふぅー!!待ってましたー!!」

今日の太一はなんでこんなにテンションが高いのだろう・・・。



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