▼ ようこそエリルデ学園へ! (2/5)
「そろそろかな…っとウィル、身構えてたほうがいいぞ。」
「え……」
どういう意味かと聞く前に目の前に火の玉が飛び込んできた。
ほとんど条件反射で後ろへ飛び下がる。
今まで自分が立っていた場所が火球により焼け焦げていて思わず身震いした。
横目でロランを見るといつの間にか取り出した片手持ちの剣で見事に火球を振り払っている。
「おい、レイラ!! 止めろよ新入生がいるんだから!!」
「…えっ!? いるなら早く言ってよ、当たってないでしょうね!!」
ほとんど逆ギレにも近い台詞を吐きながらこちらに駆け寄ってきたのは明るい茶色のした長髪の少女。
どうやらロランの知り合いらしい。
「当たって…ないみたいね、よかった。私はレイラ・フィニック、2年生よ。」
「あ…ウィディオルです。」
差し出された手を握り返し、挨拶をする。
出会い方は悪かったが、いい人らしい。
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