long story-trip- | ナノ


vol.8


車を走らせ、名護市、恩納村、読谷村、嘉手納町を通り抜け北谷を通り、途中食料品の買い物をして家に戻って来た。

夕ご飯は琉夏くんが「気になってしょうがない」って言ってたファストフードのA&Wで済ませた。

店内に入ると、一瞬ざわめきが起こった。
あのー琉夏くん…めちゃめちゃ見られてますよ?
でも、本人はそういうのに慣れてるのかどこ吹く風。
物珍しそうにきょろきょろしてる。

「なあ、奏。なんかさ、ここさちょっとだけWest Beachに似てるよな?雰囲気かな?」

「そうだね。そう言われてみると、マックってよりはこっちのが近いかも。あ、ほら注文しよ?ねえ琉夏くん、何食べる?」

横目で琉夏くんをちらりと見て、確かにかっこいいよねえとうんうん頷く。
でも、私が琉夏くんに惹かれたのは外見っていうより内面なんだよねえ…。
強がった言葉で取り繕う裏に繊細な心を持つこの人の内面に。

「さま…お客様?お席にお持ちいたしますので、こちらの番号札でお待ちいただけますでしょうか?」

「あ、すみません。はい、わかりました。ありがとうございます。」

「どしたの奏?あーもしかして俺に見とれちゃってた?」

「な!またそういうことさらっと言ってのける…。違いますからー。ほら、席に移動するよ。」

素直じゃないなーなんてぶつぶつ言ってる琉夏くんを尻目に、窓際に空いている席を見つけさっさと座る。
        

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