制作途中
2017/07/18 10:23
やっとこさ一月前から温めていた1話が書き終わりそうなのでちらりと物語一部を載せます。どのシーンかはできてからのお楽しみです。主人公の名前はまだ未定のため(主人公)としています。はたして完結できるのだろうか…
まだ未完結のSSも消化せねば…
ぎゅっと手で持っていた二枚のカードを握られると、ちょうど親指に触れていた虎のカードがキラリと光った。その瞬間、0.1秒。カードからうごめくモノがいたかと思うと、その獣は主人の世界へと勢いよく飛び出した。2人の30センチ先に、その虎、いや虎の形をした灰色の動物は着地し、１つほど吠えてから、飛行する虫(バグ)へ唸り上げた。虫はさざめきをたてながらも、様子を変えなかったが、動こうものなら、獣の四足はざり、ざりと砂の音を立て、虫が動くのを一歩一歩、地で噛み締めていた。
互いに間を伺う膠着状態が十数秒続いたかと思うと、相手は痺れを切らしたのか、(主人公)へ向かって突進した。自分めがけてやってくる鎌にひっ、と小さな悲鳴が湧いたが、虎は虫の動きを読んだのか、振り上がる鎌の関節めがけて飛びかかり、一噛みの後に首を回し、ぐしゃりと相手の武器をもぎ取った。欠損した部位からは鮮緑色の液体がじゅくりと噴いた。先ほどまで悲鳴をあげていた女は、瞼を閉じるほどの感覚はなかった。
ジィ、と悲鳴を放った虫は己の体液を垂らしながらどこかへと飛び去った。
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