surprise


 今はある人にサプライズをするために屋上庭園で、ある人を待っている。何でサプライズをするかと聞かれると、今日のお昼頃に遡る…





 私は陽日先生と星月先生と一緒に、保健室にいた。

「陽日先生、今日って水嶋先生の誕生日じゃないですか。そこで先生にお願いがあるんですけど、いいですか?星月先生にもお願いしたいんですけど…」

 今日は私が大好きな水嶋先生の誕生日だ。
 何とかして先生の誕生日を祝いたかった私は、今日のために一ヶ月前からサプライズの準備をしてきた。サプライズだから、極力水嶋先生にばれないように事を進めたい。

 と、いう訳で、今回陽日先生と星月先生に協力を依頼したのだ。

 二人は、私が水嶋先生のことを好きなのも知っているし、有り難いことに応援してくれている。だから今回先生達には、今夜水嶋先生が屋上庭園に来るように仕向けてもらいたいのだ。

 先生達にたのんでみると、

「もちろん協力してやるぜっ!俺達に任しとけ。なっ、琥太郎センセ」
「ああ、俺も構わない。」
「やった!先生、ありがとうございます。」

 そして、プレゼントやらなんやらを準備して、私は屋上庭園で水嶋先生の登場を待っている。
 さっきからずっと待っているのだが、水嶋先生はなかなか屋上庭園に現れない。
 考えたくはないが、ひょっとしたら先生達が失敗している可能性もある。

 一応、星が見えなくなるくらいまではここで待つつもりだが。

「水嶋先生まだかなあー。」
「僕ならいるけど?」

 私がぽつりと呟くと背後から声がした。驚いて振り向くと、そこには待ち望んでいた水嶋先生が立っていた。

「み、水嶋先生?!いつからいたんですか」
「いつからだろうね?僕は琥太にいがあからさまな態度で今日は星が見えそうって呟いたから、何かあるのかと思って見に来たんだけど…。まさか、なまえちゃんがいるとはね」

 よかった、私が仕組んだってばれてないみたい。

「そういえばさ、今日は何の日か知ってる?」
「もちろんです!今日は水し…」
「ストップ。」

 答えを言おうとすると、水嶋先生にストップをかけられた。訳が分からず、頭にクエスチョンマークをたくさん浮かべていたら、水嶋先生がどういうことか教えてくれた。

「二人のときは"郁"でいいって言ったよね?」
「あ、すみません。今日は郁の…大好きな郁の誕生日ですよね!」
「正解。知ってるなら、もちろん用意してあるよね?」
「もちろん!郁の口に合うかは分からないけど、頑張って作ってきたんですよ」

 そう言い私は、作ってきたケーキを差し出す。すると郁は驚いたような顔をしてこちらを見ていた。気のせいかもしれないが、若干表情が曇った気もした。

「もしかして、ケーキ苦手だった?」
「いや、ケーキは好きな方だけど…。琥太にいが、なまえちゃんに料理を作らせちゃダメって言ってたのを思い出したから。」

 郁にも思いやりというものがあるのか、少し言いにくそうに告げた。(まったく、なまえちゃんは失礼だなあ。)
 というか、星月先生は何を言ってくれているんだ。わざわざ悪い所を伝えないでくれてもいいのにな…

「こ、今回は大丈夫ですよ!一ヶ月も前から、錫也に指導してもらいましたからね。」

 羊くんと哉太も美味しいって言ってくれましたし、と続ける。

「僕以外の男と一ヶ月も一緒にいたのは気にくわないけど、今回は僕のためだし僕の要求を一つきいてくれたら、許してあげるよ。」「要求?」

 私がまたも、頭の上にクエスチョンマークを浮かべていると、郁が要求について話しはじめた。

「一回でいいからキス、させてよ」
「え?」
「まあ、ただ単に僕がしたいだけなんだけどね。」

 そう言うと郁が、私の頭を押さえ付けながら顔を近づけて来る。もうすぐ、お互いの唇が触れるかどうかという瞬間。

「ごるああああ!水嶋〜っ!俺の生徒に手を出すなああああっ」
「おい、直獅。今いいところだったんだから邪魔しちゃだめだろ。」

 いつからいたのかは分からないけど、暴れる陽日先生とそれを止める星月先生がいた。

「覗きは感心出来ないですよ。陽日先生はともかく…琥太にいまで」
「悪いな、郁。直獅がどうしてもってうるさかったんだ。」
「はあ、まったく…。なまえちゃん、どうする?場所、移動する?」
「うーん…。折角だし、みんなで郁の誕生日祝いましょうよ!」



いつもの展開



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