黒猫青峰さんと黄瀬の話ex(青黄)
長編作品『黒猫青峰さんと黄瀬の話』の続きです。


足元に擦り寄る黒猫の訴えに気が付いて、黄瀬はソファーから立ち上がった。
「ごめんごめん、ご飯の時間スね」
猫缶置き場へと向かえば、後ろをぴったりと着いてきた猫は「あーん」と甘えた声を出す。それを聞いた黄瀬は、缶を片手にハッと動きを止めた。
「今の聞いた?『ごはん』って言ったっス。天才だ」
「言ってねーよ。親バカか」
ソファーに寝転がった青峰は雑誌に目をやったままでにべもなく一刀両断してくる。でもそんなものは気にも留めない。
「言ったもんねー?」と愛猫に話しかけるが、猫は皿に盛られた缶詰に夢中でなにも答えてはくれなかった。
一仕事を終えた黄瀬がソファーに戻ると、数分も経たずに猫が後を追って現れる。
「もう食ったのか。はえーな」
笑う青峰の腹の上に身軽に乗り上げると、黒猫は口をもごもごさせながら返事をするように、鳴いた。
「あ、ぉみゃー」
「青峰って言った。やべぇ、天才だ」
「大輝も大概親バカっスわ」


fin 2019/2/22

飼い猫が喋っている気がする。猫好きあるある。


prev next

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -