女体黄瀬、男子更衣室で着替える。(青黄)
ところで、と。左右に分かれた道の真ん中で立ち止まり、黒子は黄瀬を見た。
「君は女子更衣室と男子更衣室、どちらで着替えるんですか?」
「うーん…」
右手にある女子更衣室と左手にある男子更衣室、両方を見比べた黄瀬は困った顔で笑う。
「見た目はこんなでも中身は男なので、女子更衣室に入るのはちょっと気が引けるかな。その分皆になら着替えを見られても平気っス!※ただし青峰は除く」
「僕らは今更黄瀬くんの着替えを見たところでなんとも思わないですからね。※ただし青峰は除く」
「その但し書きはなんなんだよ」
満場一致で男子更衣室に入って、黒子は青峰に命じた。
「というわけで青峰くん、頭の後ろで手を組んで、跪いてください」
「銃所持者並の警戒かよ!」
「ほら早く、黄瀬くんが着替えられないでしょう」
「くっ…」
こうなったら仕方ない。青峰は後ろを向いて、指示通りに降伏ポーズで黄瀬の着替えが終わるのを待つことにした。
しかし見えない分妄想は膨らむというもので。黄瀬が服を脱ぎ捨てる音にドキリと鼓動が跳ねた。
「ねぇ、青峰っち」
聞き耳を立てている青峰に気づいたのか、黄瀬が背後に立つ気配がする。
「今俺、どんな格好してると思う?」
するりと伸びてきた手が青峰の喉を撫でる。耳元への囁きは確かに誘惑の響きを伴っていて、青峰はたまらずに思い切り後ろを向いた。そこにいた黄瀬はーーー
「ジャージ姿でしたー」
じゃーん、と手を広げる黄瀬の頭を、青峰は無言ではたいた。
「痛い!」


fin 2019/2/5


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