黄瀬と桃井と青峰さん


「きーちゃん、猫飼ったんだって?」
さすが、桃井は耳が早い。更に行動力もある彼女は、黄瀬に連絡したその日のうちに家を訪れた。
「はいこれ、お土産」
「ありがとう…」
箱を受け取った黄瀬の背を、嫌な汗が伝う。
「………あのこれまさか、桃っちの手作りだったり…」
だらだらと冷や汗を流しながら問えば、桃井はにっこりと笑った。
「なぁにきーちゃん、手作りの方が良かった?」
「めっそーもございませんです!」
黄瀬が箱に描かれた有名ケーキ店のロゴを見つけてほっとしていると、部屋の奥から小さな足音が近づいて来た。
「この子が噂の『青峰さん』?やーん、可愛いー!」
桃井は大喜びで猫を撫で回し、猫もまんざらでもなさそうにころりと横になる。
微笑ましい触れ合いを見ながらお茶の準備をしていた黄瀬に、桃井は言った。
「そういえば、猫ちゃん用のケーキってあるらしいね」
嫌な予感に、びくりとカップを持つ手が震える。ゆっくりと振り返れば、桃井はそれはそれは愛らしい笑顔をこちらに向けていた。
「きーちゃんからリクエストももらったことだし、きーちゃん用と青峰さん用のケーキ、今度作ってくるね」
黄瀬と黒猫は震え上がった。

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