LONG NOVEL

ラブ☆ヒメ好きなの? (8/46)

「それってもしかして有丸くん?!」
「Σえ!///」


小野田坂道が今泉達を軽い足取りで避けながら私の自転車の鍵についてるストラップに食いついた。


「もしかして「ラブ☆ヒメ」好きなの?!」
「!!!」


す、す、好きです!
がっつり観てます!
有丸くんとメージュのCPとか超ーヤバイっす!!


「えっと、あの・・」


うぅ・・;
周りの視線が気になって、思い切り好きだと答えたいのに答えられないヘタれな自分。


「あ、ごめん;違った?変なこと聞いてゴメンね」
「ううん、平気・・」


肩を落とした小野田坂道の背中を追い掛けるように見詰める。

ここじゃなかったら、二人きりだったなら思い切り話が出来たのに、アニメや漫画の話を。


「そのストラップどうしたんだ?」
「え?こ、これ?」
「前に俺と出掛けた時、たまたまガシャポンやって出てきた奴だよな」


急に話を振ってきた今泉に焦って口ごもってたら、純太が私に笑いかけながらそう答えてくれた。


「なんやそうやったんですか、てっきりスカシみたいに苗字さんもそのアニメにハマッとるんかと思ったわ」
「Σえ!!今泉が?」
「ハマってねーよ!」
「小野田くんと映画やらイベントやら喜んで行っとったくせに」
「喜んでなんか」
「あ、今泉君ごめん;もしかして迷惑だった?僕が無理矢理誘っちゃったから」
「いや・・・・わ、悪くは無かった//」
「今泉くん〜♪」


あんまり表情には出てないけど、馬鹿みたいに照れてるぽい今泉。
はどーでもいいんだけど、「ラブ☆ヒメ」の映画もあのイベントも小野田坂道も行ってたんだ・・・今泉と一緒に。

私も行った、映画もイベントも。

唯一私がアニメ好きだと知ってる純太は自転車の練習で忙しそうだったから声も掛けられず、一人で行ったんだよね、私。

目の前が段々涙で曇ってきて、慌ててみんなに背中を向けた。


「そろそろ帰るぞ、気を付けて帰れよ」


純太がみんなに私の顔が見えない様に肩に腕を回してくれる。

私の涙を理解してくれるのは純太だけ。


「純太、俺も」
「ああ、またな青八木」


私と純太を残してみんな自転車に乗って坂を下りて行った。


「純太、ごめん」
「なんで謝んだよ」
「自分が自分で情けなくなる;全部が全部中途半端で」
「小野田に話す気ないのか?絶対喜ぶと思うけど」
「だってまだ全然親しくないのに、急にアニメの話なんか出来ないよ」
「ならさ、前から思ってたんだけど、俺達の部のマネージャーにならねぇ?」
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -