華霞

どうしても、やめられない。

この、秘密の遊びを。


外では子供達の楽しそうな声。

それとは対象的な、目の前のカナタの苦しそうな声。

興奮する、とても。


「ッはァ……シンっ………」

「黙ってろ」


強く命令すると、カナタはじっと俺を見つめる。

イヤらしい、マゾヒストの顔。


「我慢できねぇのか?」

「でき……ぁ……ッハァんっ!」

「どうした? ココが気持ち良くて声が出ちまうのか?」


言葉で責めながら、奥を小刻みに突き上げる。


「イヤらしい子だなぁーカナタチャンは」


俺が声をかけるたびに、カナタの奥から蜜が溢れてくる気がする。

それを掻き交ぜるように、俺は腰を動かす。

それが激しくなるにつれて、カナタは必死に声を押さえようと、俺にしがみついてくる。

嗚呼、なんて愛しいのだろう。

キュッと結んだ口から時たま漏れる嬌声に、俺は酔いしれる。


「あぁ、カナタ……愛してるぜ…」


呟きながら、カナタを膝の上に乗せ、その肢体を柔らかな曲線に沿って撫でる。

ビクビクと反応する白い体。

美し過ぎて、目眩がする。

目の前の乳房に吸い付き、無我夢中でカナタに腰をうちつける。

絡み合う体と体。

溶けたような汗。

熱すぎる、吐息。

強く目を閉じ、俺の背中に爪を立てれば、カナタの絶頂はもうすぐ。

深く、速く突き上げ、俺はカナタを絶頂まで導いていく。


「ッ………いっ……ぁッ…」

「イくのか? イっていいぜ」


俺が耳元で囁いたのとほぼ同時、膣がキュッと閉まる。まるで俺を引き止めるかのように。

俺はそんなカナタを振り払い、抜いた先に白濁を零した。



「じゃ……また、来週な」


ぐったりとしたカナタに呟き、俺は彼女をおいて部屋を出た。

気分転換に家を出ると、先ほど遊んでいた近所の子供が駆け寄ってくる。


「ね、遊ぼうよー」

「今日はだめー」

「えー、なんで?」

「大人は色々忙しいの」


ふぅん、と、深くは追求しない。


一時の幻想、危険な遊び。

太陽の光を浴びると、それは消えてしまう。

俺の背の方で、小走りな足音がする。

あの共有した時間は霞のように消え、俺達は他人に戻っていく。


  了




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