普の夏休み朝顔観察日記

飾ちゃん:ちよちゃんのおうちの子。お花を食べる。食べたら感情がちょっとわかる。かわいい。天使。

多分実家に一緒に住んでる。以上を踏まえてどうぞ!




8月1日。朝顔がようやく咲いた。飾が食べた。あまりおいしくないらしい。そりゃそうだ、宿題が面倒だったんだから。でも、今日から毎日食べられるのは嬉しいらしい。まずいものやるのもかわいそうだから、ちょっとは真面目に育てるかな。

8月2日。今日はふたつ咲いた。飾が食べた。絵を描く前に食べたから適当に描いといた。次からは気を付けろよ、っていったら思いの外へこんでたから元気出せって花買ってやった。何かがおかしい。

8月3日。今日はひとつ。飾が食べた。今日のはおいしかったらしい。そういや誕生日にピアスとケーキ買ってもらって喜んでたわ。それでだな。飾がきてかなりたつけど、ケーキの方がうまいのに、って、今でも思う。

8月4日。今日は咲いてなかったから綾の家に食べに行った。あまり美味しくなかったらしい。飾は言わなかったけど、絶対俺のよりまずかった。あいつのがうまいはずねぇ。

8月5日。1つ。もちろん飾が食べた。もう飾が食べるの決まってるから省略するわ。

8月6日。ふたつ。つぼみが増えてきてる。飾も咲くのが楽しみだって言ってた。綾のは全然味がしなかったらしい。どうせ、スマホ弄りながら水やってんだろ。

8月7日。今日もまた咲いてない。この前の綾のが面白かったから、他のやつのも食べさせて見ようと思う。とりあえず今日は弟の朝顔貰っといた。おいしかったって。明後日友達とキャンプに行くからかもな。

8月8月。今日は4つも咲いてた。行こうと思う日に限ってこれなんだもんな。飾は喜んでたけど。

8月9日。よっしゃ、咲いてない!っつったら、飾がちょっと不満そうな顔をしてた。淳のところに行ったら、なかった。姉ちゃんに育ててもらってるらしい。高校生にもなって姉ちゃんに宿題させるなよ。

8月10日。3つ咲いてた。淳の姉ちゃんは悩みでもあるのだろうか。困ってるみたいだって飾が言ってた。原因は間違いなく淳だろ。

8月11日。2つ。飾は毎日朝顔ばっかで飽きないのだろうか。おいしいっては言うけど、別のも食べたいのが普通だよな、俺も毎日ショートケーキだったら飽きるし。ヒマワリでも育てときゃよかったかな。

8月12日。今日も2つ。弟と妹のミニトマトができてた。飾も食べてたけどやっぱ花の方がいいって後で言ってた。俺はトマトの方がいい。トマトうまかった。

8月13日。ひとつだけど小さかった。右京のところに行こうと思ったけど、お盆に非常識だとか言われそうだったからやめといた。まぁ右京んちはすぐそこだからいつでも行けるしな。

8月14日。2つ。お盆の花を買いにいったら、飾が他の花を見てたから買ってやった。やっぱ好みもあるのだろうか。ハイビスカスにしようぜ、っていったのに、いらないっていわれた。大きいからうまそうなのに。

8月15日。ひとつだったから、昨日買った花も一緒に食べてた。何の花かは知らねぇ。飾が教えてくれたけど、聞いたことがない花だった。大体飾は花だけ食べてて腹減らねぇのかな。

8月16日。今日は3つ咲いたけど、母さんの花をちょっともらうことにした。今、父さんが盆休みで家にいて、母さんの機嫌がいいから、多分うまいと思う。

8月17日。2つ咲いてた。母さんの花はやっぱりうまかったらしい。全部食べさせてもらってた。母さんは飾に甘いと思う。

8月18日。ひとつ。ひびきのところに食べに行った。ひびきはコミケに行ったらしい。何をしたのかしらねぇけど、楽しかったんだろう。飾がうまいっていってた。また食べに来てもいいですよ、って言われて、飾が喜んでた。

8月19日。4つ咲いてた。部活に行ったときにこの日記を見せたら淳が飾のストーカーだとか言いやがった。当然殴った。

8月20日。2つ。どうでもいいけど、ドライフラワーって飾はうまいんだろうか。俺が彼女ができたときに花を育てて、それをドライフラワーにしたらいいんじゃねぇの?俺って天才じゃね?

8月21日。咲いてなかったから右京のところに行った。二人分あるからお腹いっぱい食べられたらしい。後で聞いたら同じ味だったって。右京がどっちも育ててるんだろうな。

8月22日。2つ。ひびきのうちに行きたいっていってたけど、洋服目当てな気がする。色々着せてもらえて嬉しいんだってさ。まぁいいけど。あいつはもう宿題終わってそうだな。

8月23日。今日も2つ。秋良のうちに行ってねぇから行ってきた。飾が帰り道で「秋良さん、大変そうだね」っていってた。胃液の味でもしたのか?

8月24日。3つ。ひびきのうちに行ったら淳がいた。宿題が終わってないらしい。俺もまだ終わってねぇけど。まぁできるだろ。

8月25日。1つ。終わったからもう育てなくていいって喜んだら、飾がちょっと残念そうだった。今度は室内で育てられる花にしようぜ、っていったら、喜んでた。


「よっしゃかけたーっ!」

エアコンの効いた綾の部屋の中、鉛筆を置いた俺はベッドに倒れこんだ。ちなみに飾は夏休み最後だからって弟や妹と薔薇園に見学に行ったらしい。目の前に食べ物並べられて、腹減らねぇんだろうか。

って、飾の食べ物のことなのに、俺が腹減ってきた。時計を見るともう3時、おやつの時間だ。

さっき、コンビニから杏仁豆腐買ってきたんだった、と袋の中からスプーンを取り出していると、完成した日記を読んでいた綾がおもむろに話しかけてきた。

「なぁ、アマちゃん」

「何?」

「何で飾ちゃんが花食うって書いたん?」

「文字数稼ぎに決まってんじゃん」

「やっぱり? けどさ、そのこと俺らしか知らんし、他に知られたらだめだろ」

マジだ。と、思った俺が綾の顔を見ると、驚いてる俺を見て笑っていた。こいつ、絶対わざとだろ。

「……なんで早く言わねぇんだよ」

「面白かったから」

ほら、やっぱり。大体何度も見てるんだから、言う気があったら最初から言ってるはずだ。

チッ、と舌打ちをしたが、綾に効果があるわけもないし、俺は怒るよりも先にやることがある。

「……このままじゃだめかな」

「だめだろ」

「綾、手伝って」

俺が言うと、綾は、はいはい、と準備していたらしい新しいノートをくれた。そこまで予測していたのはさすがだが、俺のミスを笑うためだけに黙ってたんなら、手伝う手間に見あってる気がしねぇ。

「あー、くっそー! すっげぇ真面目に書いたのに!」

「それ、新しいのにうつし終わったら綴くんにやったら? 頑張って書いたからうまいかもよ」

「エコだな」

とりあえず、杏仁豆腐食おう。


おわり。


わたしが夏休みの宿題ためててまとめてした気分です。
ちなみに綴くんは飾ちゃんと双子の文字食べる子です。



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