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相談内容に気を付けて


切っ掛けは、何気ない「大丈夫か?」の気遣いでした。





その時感じた衝撃を嘘偽り無く馬鹿正直に述べたら、親友は微妙と言うか寧ろ苦々しい表情を張り付けて首を左右に振った。
彼の反応を心外と取り、悟空はあからさまに不機嫌を露わにする。
眉を寄せ、頬をぷくっと膨らませた怒りの表現方法は、まるで子供だ。

今やいい歳をした大人ながら、戦闘時とはまた違って普段はこんなにもいとけない男を目視しつつ、本当に自分達の年齢が僅差なのかを疑ってしまうクリリン。
これで見た目が二十代から全く変貌しないのだから、彼の若さに益々拍車が掛かっているのだろう。
そう言えば何年もあの世の住人だった事情も相俟っているのか、と思考の海に片足を突っ込んだ所で、悟空の不満が爆発する。


「マジメに聞けって!オラだって本気で悩んでんだからよ〜」
「あ、ああ……悪かったよ悟空」


今は親友の若々しさについて脳内議論をしている場合ではないのだ。
クリリンは我に返り、サイヤ人だから仕方ないで何もかもを片付ける。
そしてもう一つ、サイヤ人で思い出した話題を再び確認するかのように口にした。

「んで、えーっと。つまりお前はベ、ベジータに……その」
「うん」
「ギャップ萌え?」
「……って、なんだ?」

いや、だって、なあ?と思わず言葉に詰まる。
直接的な肯定なんてしたくもなかった。

クリリンは精神的なダメージから挙動不審になってしまう。
取り敢えず、自分達以外は皆外出して居ない現状へと少なからず感謝しつつ、親友と二人きりのカメハウス内をキョロキョロと見渡した。

しかし、問題である机を挟んで差し向かいに掛けた人物。
呑気にもストローからジュースを美味そうに吸っている悟空を恨みがましく一瞥後、観念して向き直る。

「悟空!」
「おう」
「ベジータは、お、お、男なんだぞ!?それに、あいつにもお前にも家族がいるじゃないか!!色んな意味でダメだろ!?目ぇ覚ませよ!」


必死だった。
ここで何とか悟空を説得しなければ、今後嫌な方向で巻き込まれる。絶対に。
クリリンは祈った。

だがそんな親友の願いも虚しく、あろうことかベジータに優しくされて恋しちゃった悟空の症状は最早手遅れだと知る。


「……オラさ、初めてだったんだ」
「え?」
「あんなコト言われて、ドキドキしたのって」









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