―――夏本番。

暑さ負けし、食欲・体力共に落ちるのがこの季節。だが、彼等はそんな事言っていられない。


坂本「お、ここにおったかー」

桂「まったく…。銀時、高杉起きろ!!」

坂本「起きるぜよー!」


桂と坂本が探していた二人組は、縁側で気持ち良さそうに昼寝をしていた。
それを邪魔され、銀時と高杉は至極不機嫌そうに瞼を開ける。


銀時「っせーなァ…」

高杉「チッ…。………」

桂「高杉!狸寝入りは止めんか!」


眉を顰めながら目を擦る銀時。
高杉は一瞬二人を睨み付けると、再び瞼を閉じてしまい、桂はそれを必死に揺り起こす。


銀時「何だっつーんだよ…」

桂「行くぞ!」

坂本「夕飯の買い出しじゃー」

高杉「……………」

桂「だから寝るなと言ってるだろうが高杉ィィィ!!」

高杉「っせェェェ…!!」

(ドカッ)

桂「あ゙ァッ!!!」


説明している最中にも寝息を立て始めた高杉に、桂は耳元で叫ぶ。
それがあまりにも五月蝿かったのか、高杉は鋭い瞳を現すと、桂を蹴り飛ばし、縁側の外へ出した。


坂本「アハハハハ!晋助は低血圧じゃのー」

銀時「ヅラー、ダメだよー?晋ちゃんはお子ちゃま並みに寝起き悪いんだから」

高杉「常時寝グセ頭のヤツに言われかねェな」

銀時「!テメーはまた髪ネタ持ってきやがって!そんなにこの髪が好きか!?ツンデレか!?」

高杉「ツンデレだァ?笑わせんな。俺ァ、テメーの天パ見る度イラついてんだよ」

銀時「ンだとコラァ!!」

坂本「アハハハハ!確かに金時は常に寝グセ頭じゃー」

銀高「「テメーもだよ!!」」

坂本「あれ?アハハハハ!そうじゃったのー!」


先程の眠気は何処へやら。銀時と高杉は掴み合い、言い争う。坂本はその中央で、楽しく観覧しながら呆けをかます。


桂「静かにせんか貴様らァァァ!!!!」

坂本「お、復活じゃ」

高杉「テメーが一番うるせーよ、狂乱」

銀時「ほら、買い出し行くんだろ?貴公子」

桂「そこでその呼び名を使うなァァァ!!」


一番大声を出した桂を、最終的に冷静になった銀時と高杉が馬鹿にしてその場の争いは終了。

呼びに来た筈が、逆に「早くしろ」と言われ納得のいかない狂乱の貴公子であった。






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