01


「「一星出来たよー!褒めて褒めてー!!」」
「おぉ、えらいえらい。…ってやって当たり前じゃアホ!」
「「きゃーっ」」
「遊んでねぇで手動かせよ」

 双子書記が戻ってきて1週間。二人で処理していた作業の速度も元に近くなり、多少の休憩や雑談の余裕が出てきた頃だった。

「いや、文句はふざけるこいつらに言えや」
「だって、ねぇ?」
「一星、いちいちツッコんでくれるから面白くて」
「おい、一星に突っ込むのは俺だからな、変な勘違いすんなよ」
「お前は何でも下ネタにすんなこの二亜ホモ」
「ハサミ投げんじゃねーよ、危ねぇだろが」

 丁度手に持っていたハサミをそのまま二亜に向かって飛ばせば残念ながら机までしか届かなかった。残念。

「あとは四鶴(しづる)ちゃんと五華(いつか)くんかぁ〜」
「どうするの会長〜?」
「まぁ放っておいてもいいだろ、二人ぐらい」
「いやいやちゃんと全員戻せや」

 今はこんな状態でも元は同じ生徒会のメンバーだ、出来ればそれなりに楽しくやってた以前に戻りたい。
 本当に面倒臭そうな顔を見せる会長を睨みながらそう伝えれば、溜息と共に書類を渡された。何これ?

「もうすぐ始まる体育祭の書類だよ。風紀に持ってけ」
「え、ええの?」

 思わず聞き返したのは最近俺が風紀に行くことを嫌がって二亜が代わりに行くことが多かったからだ。実際三亜ホモに会うのは嫌なので甘えていたのだが珍しい。

「この時間なら橘は絶対一人であそこいるだろ、カッパ巻きに邪魔されないように説得するなら今しかねぇんだよ。あいつならまだ比較的話通じるしな」
「あぁ、成程な」

 生徒会会計の橘四鶴(たちばなしづる)は弓道部でもあるので毎週この日は部活動に励んでいる。
 なんだかんだメンバーのスケジュール把握してるやんけ、このツンデレとは言わずに胸の内に秘めておいた。

「でもなんで俺が…六実か七実に行かしたらえーやん」
「「絶対い、や!!!」」
「……おい」
「だって風紀委員室」
「怖いもーん」
「こいつ等があそこ行ったとこ見たことあるか?」
「あー…いや、ないな」

 そういえば以前から風紀委員室に行くのは橘が多く、次に俺って感じで基本生徒会の面子は近寄りたがらなかったな。今回の件で最近は渋々二亜ホモが行ってたが…生徒会と風紀は犬猿の仲だから仕方ない。

「まさかお前先に橘を連れ戻すのって…」
「風紀と言えばあいつだからな。そろそろ不自由してた所だし」
「うっわ、最低…」

 思わず半眼で二亜を見つめる。
 じゃあ残り頼むと自分の業務が終わったのか橘の元に向かう二亜を見送りながら、俺も仕方なく風紀へ向かうことにした。
 最近三亜ホモと会う機会が少なかった分足が重い…。


[ ←backtitlenext→ ]


>> index
(C)siwasu 2012.03.21


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -