「ごめんね、お兄ちゃんッ! それは出来ない、の」 「ボクたち、まだっ、お兄ちゃんみたいなドロドロのが出ないから……っ」 肩で短い呼吸を繰り返しながら夢中で腰を振る悠人と幸人。俺は蕩けた頭でそれを聞いて――固まった。 「んあ、お、まえらッ、ぁ、ま、さかッ、まだ精通――ッ」 「してないのッ」 「イけないのッ」 腰を打ち付けながら答える二人に俺は絶句した。 こんな立派なチンコをつけておきながらまだ精通してないって立派な詐欺じゃないのか。 唖然としていると、二人は俺の片足を大きく持ち上げて更に結合部を深めてきた。 「ンあぁっ!」 精通がきてないってことは、どれだけ刺激を与えようがイけないってことだ。それでもチンコは勃起するし、擦れば気持ちいい。 つまり、射精出来ないこいつらにはセックスの終着点がない。 「やっ、そ、んな、む、ムリッ、あ、あっ、あっ、あぁッ、た、頼む、いっかい、一回抜いて、っくれ……ッ」 二人の体力が尽きるか飽きるまで終われないなんて、道具を使ってる時より質が悪い。 「ン、でもお兄ちゃんのナカきゅうきゅうしてて気持ちよくてッ」 「止まらない、よぉっ」 そう言いながら前立腺を亀頭で強く押し潰されて、俺は逃げるようにもがく。 「アァァッ! あっ、あっ、ひ、んぅッ」 「あっ、またキュッてなった……ッ」 「お兄ちゃん、も、気持ちいい、っんでしょ? ボクたちの分までっ、いっぱいイっていいからね」 「あ、や、やめ、や……っ」 首を振って拒絶を示すが、二人は微笑みながら俺のチンコに手を伸ばして扱き始める。 やめろ、俺はもう散々イきまくって限界なんだ。それでもチンコは快楽を拾って、俺は亀頭からまた雫のような精液を数滴零した。 「アアアッ! あっ、ひぐっ、う」 「あれ? 少ないよお兄ちゃんっ」 「まだ出るでしょ?」 「アッ、い、イった、イったからぁっ、もう出な……ッ」 これ以上出るわけない。それなのに執拗に擦り続ける手は、開いた尿道に爪を立て淵をはじいて強制的な射精を促してくる。 そしてまた押し寄せた絶頂感は、途端強い波のように全身を駆け巡って俺は我慢出来ずに腰を浮かせた。 「ヤ、あ、ア……っ、ああああああああ――ッ!」 亀頭から透明の液体が噴水のように勢い良く吹き出す。 まるでエロ漫画でも見ているような飛び散り方に、二人は蹲りながらも腰を振った。 「あ、お兄ちゃん、またおしっこもらしちゃったッ」 「や、ふあっ、あ、ち、ちが、おしっこ、っじゃ……」 「お兄ちゃんすごい、おちんちんちぎれちゃいそう」 ぴゅっぴゅっと飛び出す液体に、ケツが自然と締まって二人は眉を寄せる。出した後は緊張の糸が切れたみたいに力が緩んで、なのに止まらない抽送は休ませないとばかりに熱を作っていく。 「あっ、あっ、も、やめ、ッや、ヒッ、んぅっ!」 「お兄ちゃん、すごい顔してる」 「お、ねがっ、あ、あぁぁっ……! も、やだぁッ」 俺はぐずぐずになった思考の中、小学生相手に子供のように泣きじゃくった。 「もうちょっとだけ、ね?」 「おねがい、お兄ちゃん」 お前らは俺を殺す気なのか。 天使のように可憐な笑みを浮かべながら首を傾げる二人が悪魔に見える。 「ヒ、ぃっ、あっ、あ、あっ、も、こわれ――ッ」 俺は縋るように身体を捻ってシーツを握りしめた。 結局暫く続いた二人とのセックスは、俺が下半身の感覚を失い呼吸も絶え絶えになって意識を飛ばしかけたところでようやく終わった。 呆けながら呼吸を整える悠人と幸人は、落ち着いてくるとまるで激しい運動が終わった後のような清々しさの残る顔で白目を剥きかけている俺にキスを落とす。 そして「「またしようね」」と語尾にハートマークが見えるような甘ったるい声を揃わせるものだから、俺はカラカラに掠れた声で「ぜったい、やだ」とだけ返しておいた。 [ ←back|title|next→ ] >> index (C)siwasu 2012.03.21 |