06


「くそっ、何されても結局嫌いになれないところが嫌いなんだよ!」

 吐き捨てるように本音を白状すれば、またキスが落ちてきた。
 今度は一人、一つの舌が俺の舌と絡まって荒い呼吸が漏れる。もう一人は口付けに夢中になっている俺の胸からクリップを外すと、ケツからローターを抜き手足の拘束を解いていく。
 いつでも弟を突き飛ばせる状態にはなったが、俺は抵抗することなくむしろその胸倉を掴んで引き寄せた。

「ん、ン……」

 空いた手で俺達を見ていた弟のシャツも手繰り寄せて誘うように舌を出す。
 また三つの舌が絡み合って、それにようやく納得した俺は離れた二人の顔を見上げながらため息をついた。

「お前ら、俺を自分達のものだって言うけど、お前らこそ分かってるんだろうな」
「「なにを?」」
「俺は、でかくなったお前らにもういりません、なんてオモチャみてぇに捨てられるのはゴメンだからな」

 そう言い切れば、二人は顔を見合わせて溢れんばかりの笑顔を見せると俺に飛びついてきた。
 まだ恋愛もまともに分かってない小学生相手に何を言ってるんだ、将来彼女が出来たこいつらに呆気なく捨てられるに決まってるだろ。
 けれど今はこいつらにとっての一番が俺なわけで、俺はそういう対象として好かれているんだってことを認めるしかない。
 そして認めてしまえば騒ぐのも馬鹿らしいと思ってしまう俺も、どこかでこいつらのことが好きなのだろう。
 ぎゅうぎゅうと抱きつく弟達の頭を撫でて自分の甘さに嘆息をついていると、身体を起こした二人が目を細めて首を傾げる。

「じゃあお兄ちゃん、ボクたちを見分けられるようになってよ」
「好きな人に見分けられないのって、実はとっても悲しいんだよ?」
「ンなこと言われても……」

 そんなことは分かっている。
 痛いところを突かれて俺は困ったように頭をかいた。指とか舌とか、他にも色んな違いはゲームと称したセクハラで半ば無理矢理教えられてきたが、どれも細かすぎて全く区別がつかない。
 せめて一目で分かる違いがあれば、そう思って困ったように上半身を起こして二人を見ると、何故か二人は愛らしい笑顔を見せながらズボンに手をかけた。

「実はね、最近気付いたんだけどボクたち大きなちがいがひとつあるの」
「お兄ちゃんでもゼッタイ分かるよ」

 そう言って下着ごとズボンを下ろした二人の股間を見て、俺は思わず息を呑む。

「長いほうが幸人で」
「太いほうが悠人だよ」

 確か最後に二人と風呂に入ったのは、俺がまだ中学生でこいつらも性的なことを理解していなかった頃か。
 あの時は小学生らしく可愛いサイズだったチンコは、まだ皮を被っているとはいえ立派に成長していた。
 確かに幸人の方が長くて、悠人の方が太い。これなら俺でも分かるほどだ。

「ボクたち他の子よりも二回りぐらい大きいの」
「そうそう、友達もスゲースゲーって言ってるもんね」

 可愛い顔なのになんて可愛くないチンコだ。
 脱いだ時は半勃ちだったそれは、俺に見られて興奮したのか徐々に頭を持ち上げている。
 これ、成人男性の小さいサイズぐらいあるだろ。

「どうしよう、なんかすげぇショックだわ……」

 チンコでようやく弟達の見分けがつくとか人に言えるか。
 頭を抱えていると、俺を押し倒して足を持ち上げた二人がにっこりと微笑む。

「じゃあお兄ちゃん、どっちゲームね」
「おい、まさかっ」

 俺が声を上げた時には既に亀頭が中に入っていた。散々道具を突っ込まれてまだローションまみれのケツはすんなりチンコを受け入れていく。

「んぐっ」

 収まったそれは今まで突っ込まれたものより小さいとはいえ、初めて感じる腸内の熱とリアルな形に内股が震えた。


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(C)siwasu 2012.03.21


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