「んぐっ、うー、ふっ……うっ、んうっ」 じゅぶっ、じゅぼっ、ぬぼっぬぼっぬぼっぬぼっ。 頭を揺さぶられ、目尻に涙が浮かぶ。 自分で動けないせいで呼吸のタイミングが掴みづらく、シスは苦しさに顔を赤くさせた。 その顔にマオが興奮して、動きを更に激しくさせる。 ようやく二本の指でローターを掴むことが出来たシスは、引きずり出そうと腹部に力をこめた。 「ん、んぅ……ふっ、ふーっ、ほふ」 ローターは少しずつ入り口に戻ってくる。 あと少しで出せると、内心で安堵の息をついた時だ。マオは吐息をこぼして言った。 「あーその絵面ムリ。イくからちゃんと飲めよ」 「んんぅっ!」 びゅーーっ! びゅるるるるっ、びゅくっ、びゅくびゅくっ! 言葉とほぼ同時に喉奥へ熱い精液が流し込まれる。 同時に、濃い体液に反応して内壁がうねり愛液を分泌させた。 突然濡れそぼった中に驚いて、シスは思わずローターを掴んでいた指を離してしまう。 同時に、最悪のタイミングでそれが振動を始めた。 ヴ……ヴヴ……。 「へぁッ!?」 ヴーーーーヴヴヴヴヴッ、ヴィーーーーーン! 息絶えたと思っていたビーブレビーが、ケースの中で暴れ出したのだ。 最後の足掻きのつもりなのか。 強くなった振動に、シスはマオの太ももを両手で強く掴み、困惑の表情を見せた。 「あっ、うそ……そんなっ……あっ、あっ、んあッ」 もう動くことはないと完全に油断していた。おそらく暴れ疲れて休んでいただけなのだろう。 シスは目の前にある股の間に頭を落として、排泄するように力をこめるが、ローターはそれに逆らうかのように奥へと進もうとする。 逆効果だ、と気付くがもう遅い。 そのせいで中のしこりを擦る形となってしまい、詰まった息にぎゅっと体を丸めた。 「ひぐっ……や、アアあァッ! ひ……あひっ! そこ、だめ、だ……んあぁぁぁぁっン」 前立腺を休みなく刺激される。脳髄までとろけ、理性がなくなっていく。喘ぐ端から涎がこぼれ、シーツにはいつの間にか染みが出来ていた。 気付けば四つん這いで尻を突き出す格好となったシスに、マオは喉を鳴らした。何度も達して限界なのか、顔をあげたシスが腰に腕を回して縋りながら大きな尻たぶを揺らす。 「あんっ、あっ、まっ、まおっ、たの、む、ひあっ……これ、とって、くれ、ぇ……っ」 「……えー、どうしようかなぁ」 「〜〜っ、おっ、おに! あくま! あっ、アぁぁッ、ぁんっっ! も、とまっ、て、おねがっ……むり、こんなのっ、気持ち良すぎて死んでしま……っっ」 勿体ぶるマオに、シスは目を見開いて罵倒した。 しかしまともに思考が働かないのか、幼稚な言葉が羅列される。 舌足らずに喘ぎながら嫌だ嫌だと首を振るシスを嘲笑いながらマオは言う。 「気持ちいいんだったら問題ないじゃん」 「ちがっ! あっ、あっ、あっ……やっ、また……っ」 ヴーーーーヴヴヴヴヴヴヴヴ……ビクビクッ、ビクン! 絶頂の波が来たのか、マオの腰にしがみついたまま、猫のように背を反らせて痙攣する。 林檎よりも赤い顔を涙と涎でべとべとにさせながら、シスは上目遣いでマオに懇願した。 「はーっ、はーっ、はー……マオっ」 「なに?」 「ろーたー、もうっ、んァっ、い、やだ、ぁっ……まおの、コレ……っ」 「ちんぽな」 「はっ、あっ、ちんぽを、僕の中に……」 「おまんこな」 この男の言葉遊びに苛立つ理性など、もうどこにもない。 早く終わりのない責め苦から解放されたい。もっと深いところまで蹂躙されたい。男としてではなく、女としての器官で蕩けるほどの悦びが欲しい。 シスは言われるがまま、荒い息に言葉を乗せる。 「お、おまんこ……」 「分かったらもう一回」 躊躇する余裕もない。 快楽に支配されたシスは、ただ頭の中を占める欲求に従って口を開いた。 「んっ、ひぁっ、あっ、〜〜っ、マオのちんぽがほしいっ。僕のおまんこにっ、ちんぽ、いれてくれっ、おまんこゴリゴリされたい、奥までいっぱいになりたいっ! あっ」 叫ぶように吐き出すと、どこか虚しさを感じてしまった。シスは瞳に涙の膜を張る。 アイテムとしての本心は間違ってない。 けれど、シスの本心ではない。求めているのは一緒だが、まるで別の誰かの言葉を借りているような感覚だ。肉欲に支配されて浅ましく求める自分に罪悪感を抱く。 誰でもいいわけじゃない、体だけ満たされても仕方ない。 マオに愛されて、心まで繋がれることが出来たなら。 決して叶わぬ願いだ。自分の中で渦巻く感情に悔しさと惨めさが沸き立つ。 膨らむ膜は零れるように頬を伝った。 [ ←back|title|next→ ] >> index (C)siwasu 2012.03.21 |