「ひっ、あッ、あぁぁァァァッ!」 「声大きい、おさえろって」 「ふぐっ」 叫びに近い嬌声に、マオが眉をしかめてシスの口を塞ぐ。 掘っ立て小屋は、壁に厚みのある宿とは違い、防音性がほとんどない。大きな声をあげれば近隣の家にも聞こえるだろう。 悲鳴と勘違いして乗り込まれても面倒だ。 「ふっ、ふーッ、ンッ、んぐっ、ふっ〜〜ッッッ」 その間も逸物に当てられたローターは、場所を変えながらシスに刺激を与える。 なんとか鼻で呼吸をしているが、翻弄され息がろくに出来ない。 ローターを引きはがそうと持ちあげていた手は、体内に蠢く快感を耐えようといつの間にかシーツを握っている。 力が抜けて開いた足は、自然と誘っているような姿勢となり、逃げているつもりでへこへこと動かす腰は、かえって強請っているようだった。 ヴーヴヴヴッ、ヴヴヴヴヴヴヴヴーー……ッ。 「んんぅっ! ンッ、う、うぅぅーッ、ふぅっ……ふっ、ううっ」 体を跳ねさせ、顔を赤くさせながらもがくシス。 反ったことで突き出た胸を見たマオは、紅く立ち上がった突起に顔を近付けると吐息をこぼした。 熱がたまり、ぴくりと揺れるそれに、生暖かいぬめりが走る。 「っ!? んぅっ! んーっ、んン! んうッ」 ぬるっ、れろ……くちゅ、くちゅくちゅッ、ちゅろ。 母乳が出た時に吸われた力よりは物足りないが、確実な疼きにシスは顔を仰け反らしてびくびくと震える。 下と上から与えられる快楽に、強い刺激と甘い悦びを同時に得た体は、しばらくしてどくどくとシスの股間を濡らしていった。 びくっ、びくびくッ、びゅくっ、びゅるるっ、どろろ……。 「はれ、イってる?」 「ん、んん」 染みを作っていく股間に触れながら、乳頭を食んだマオが尋ねる。ローターを持つ手を掴んだシスが、何度も首を縦に振って目尻に涙を滲ませた。 「ん、う……」 「もうデカい声出すなよ」 「ん、うぅ」 その言葉にまた何度も頷く。 ようやく解放されたことで勢い良く息を吸い込んだシスは、真っ赤な顔で咳き込んだ。 マオの手はシスの鼻水と涙と唾液でべとべとになっている。 「がほっ、はっ、はーっ、はーっ、はっ」 「そのまま口開けてろよ」 「なにっ、うぁ」 シスは呼吸をする時間ぐらいは与えられるだろうと、マオから一歩下がった。しかしその考えは甘く、マオは開いた口を固定するように指を突っ込む。 そして口に含んでいた唾液を流し込むと、シスの下衣を脱がせ始めた。 「ん、く……は……ひっ」 他人の体液を飲むなんて考えただけでもおぞましいはずなのに、マオの唾液は甘く花のような香りがする。 もっと欲しいと縋りそうになる。 シスのとろけた表情を見て、マオも興が乗ったのか、そのまま口付けを落とし、舌を絡めてきた。 「ん、ぇ、んうぅ……」 肉厚が口の中を這いまわり、愛撫する。 心地よい疼きと幸福感に胸が疼く。 いつの間にか口付けに夢中になっていたシスだったが、尻穴の湿りの中に硬くて覚えのない感触が触れて、ゆっくりと閉じていた瞼を開いた。 「んっ……ま、まへっ、まさか中に」 見れば、マオが手に持ったローターを窪みへ当てている。幸い、振動がないことが救いだ。 胸と陰茎であれほど強い刺激があったのだ、今では性器として開発されているその場所への刺激など、考えたくもない。 「そりゃローターだからな」 「しかし入っているのはビーブ……ッあ、や、やだっ」 顔を青褪めさせたシスは思わず足を閉じた。 中にいるビーブレビーの生死を気にする余裕など最早ない。 いくらケースの中に閉じ込めているとはいえ、生き物を体内に収めようとしていることに、シスはどうしようもない恐怖を覚えていた。 「やだ、なんて可愛いことも言えんじゃん」 だがマオの考えは変わらない。どれほど拒もうとも、彼は根本的に人の嫌がる姿が大好きなのだ。 茶化しながら蕾に押し当ててくる動きに、シスは必死で力をこめそれを阻む。 しかし、蕾から溢れる愛液が滑りとなって、ローターは徐々にその丸みのある先端をシスの中に沈めていった。 「本当にやめてくれっ! そんなおぞましい所業……ッ、僕はマオ以外を受け入れる気はない!」 「……そう言えば俺が止めると思った? ははっ、今日はヤダ。久々に不細工なツラ見れて楽しいし」 「〜〜〜〜ッッ、このクソ野郎……!」 体の関係になって以降、普段のマオは少し優しくなったように感じていた。 こちらの指示に従うようになったし、体調や怪我を気遣う時もある。 それらは全て僅かな変化でしかないが、それでも言動が柔らかくなったと思っていた。 だからこそ、目の前で見せる整った顔も台無しの下卑た笑みに怒りがこみ上げる。 激情のまま口を開いたせいか、珍しく荒っぽい口調になるシスに、マオはより一層笑みを深めて圧し掛かった。 [ ←back|title|next→ ] >> index (C)siwasu 2012.03.21 |